【会見全文】森保一監督、“最高の景色を”を合言葉に2大会連続のW杯へ「最善の準備をして全力を出し切る」

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 15日、FIFAワールドカップ2026に臨む日本代表メンバー26名が発表された。“最高の景色を”を合言葉に、世界一を目標に掲げて戦う日本。森保一監督が、メンバー選考の理由やW杯への思いを語った。

 以下、日本代表メンバー発表記者会見での、森保監督のコメント全文。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これまでの北中米W杯に向けての戦いの中で、たくさんの選手たちが日本代表として戦いたいという気持ちを持って心を寄せてくれて、日本代表として歩んでくることができました。

その中で、アジア予選を突破するためにピッチに立ってくれ、チームとして頑張ってくれた選手。今、本大会に向けてこれからメンバーを発表しますが、そこに向けての強化試合で頑張ってくれた選手たちだけではなく、多くの選手が日本のために戦いたいという気持ちで、日本代表のチーム力を支えてくれていました。

今日選べる選手は26人しかいませんが、これまで戦ってくれた選手、心を合わせて想いを持ってくれた選手の皆さんに本当に感謝を申し上げたいと思います。そして、我々の活動を支えてくださったJリーグや選手の所属チームの関係者の皆さん、そしてファン・サポーターの皆さん、スポンサーの皆さん、47都道府県から我々の活動を支えてくださった、繋げてくださった、サッカーファミリーの皆さんに、これまで活動できたことへの感謝と、これから一緒に戦ってくださいという気持ちをお伝えできればと思います。

そしてここにおられるメディアの皆さんが居てくださったからこそ、より多くのファン・サポーターの皆さん、そしてサッカーに普段関心がないけど、皆さんの発信を通して日本代表を応援しよう、サッカーを見てみようと思ってくださった方がたくさんいて、その応援の念が我々を突き動かしてくれました。メディアの皆さんにも、本当に感謝を述べたいと思っております。

ここからW杯に向けても、山本技術委員長、宮本会長も常々私と話してくださっている、日本一丸でより多くの日本人の皆さんが結束して世界に挑み、我々と一緒に戦って下さることで勝つ可能性が上がっていくと思います。またW杯本大会に向けても、皆さんの日本を巻き込んでいくという想いを持って世界に挑むことができればと思います。

今日5月15日はJリーグの日ということで、メンバーはまだ発表していませんが、現在の所属チームとしてのJリーグの選手が日本代表には少なくなっているように見えるかもしれませんが、スタッフも選手も含めて、Jリーグで経験してきたからこそ、世界に挑めるという力をつけさせてもらいました。多くの皆さんがJリーグから、国内の後押しがあって世界に挑めるということ。皆さんが道筋を作ってくださって、後押ししてくださったことに感謝したいと思います。

大会に向けては地味ですが、「凡事徹底」をしっかりして、当たり前のことを当たり前に準備して、最善の準備から全力を尽くして、チーム一丸となって、タフに粘り強く最後まで戦い抜くというこれまでやってきたことを一戦一戦実践していきたいと思います。

【質疑応答】
ー最終的にメンバーを決定したのはいつか。現在の心境は

チームミーティングでコーチ陣と昨日話をして、その時点では「今試合をするのであれば、発表するのであれば、このメンバー」ということで伝えさせてもらったんですが、最後の最後まで考えさせてもらって、今朝私の中で最終的に決めて、チームスタッフに連絡したのは午前11時頃です。そこが最終決断だったと思います。

今の心境ですが、先ほどのご挨拶でもお話ししましたが、選べたのは26人で、多くの選手を選べなかったという気持ちの方が大きいです。日本代表として世界で戦うだけ、勝っていくだけの力を持っている選手はまだまだたくさんいますし、日本代表として日本のために戦いたいと思ってくれている選手たちもたくさんいる中で、選べなかったことに対して、自分の中ではすごく大きな申し訳ない気持ちというのが正直あります。

しかしながら、この26人を決めるにあたっては、これまでの活動を通して、コーチ陣と何度も議論して『今のベストはこれだ』ということで選ばせていただきました。選ばれた26人の選手たちには、今日本が世界で勝つために最高の26人を選ばせてもらったという気持ちですし、選手たちには選ばれなかった選手たちのことも含めて、自分たちがW杯に挑めるので、自分の持てる力を出し切ること、思い切ってプレーして、W杯で勝つことと成長することにチャレンジしてもらいたいと思っています。

ー最後の最後まで悩んだところは

すべてのポジションですね。まずは選んだ中で、どこのポジションにアクシデントがあったらどう対応し、チームとして回していくかということも含めて、誰かが欠けた時にどうなるかを考え続けてきました。誰がというところはなかったです。

ひとつお伝えできるとすれば、三笘が最後、直近の試合でケガをして、メンバーに選べないという状況になり、そこで選手をどうするかというのが一番最後まで考えたところです。

ー三笘薫についてどんな報告を受けて不選出となったか

今大会期間中の復帰は難しいということをメディカルから報告を受けて、選出を断念しました。

ー遠藤航に期待したいこと。最新のコンディションは

遠藤に関しては手術をして、今はリハビリをしている状態です。ボールも触りながらですが、コンディションとしては、個人で上げられる部分で、試合に必要なデータから試合に出られるだけのコンディションを上げられていると聞いています。これからイングランドでの終盤と、我々のW杯への準備期間のアイスランド戦において、プレーはでき、コンディションを上げていけるということをメディカルも確認しています。復帰のプランについても明確なものはあるので、招集させてもらいました。

プレーはもちろんですが、私が北中米W杯に向けて監督を2期目でやらせてもらっている中で、キャプテンとして常にチームを鼓舞し、支え続けてくれた中心的な存在です。プレーができるという計算の上ですが、精神的にもチームを支えてくれることを期待しています。

ー5大会連続の出場となる長友佑都を選出した理由

彼のコンディションを視察で最後見させてもらった時に、まずプレーヤーとして、インテンシティ高くプレーできることを確認させてもらいました。チームが戦う一員としてプレーしてもらえるだけのコンディションであるということを確認させてもらいました。

彼は5大会連続でW杯に出場するということで、過去4大会の成果も課題もすべて知っているということ。W杯の舞台ではこれまでの延長上で考えて、選手たちには落ち着いて全力を出し切ってほしいというところはありますが、本大会では想像以上のプレッシャーがかかり、選手たちのメンタル的なところも経験の浅い選手はコントロールが難しくなるかもしれません。そんな中で、プレーでも、コミュニケーションの部分でも、チーム全体に影響力を及ぼし、貢献してくれると考えています。コンディション的に前回の試合を見た時に、局面局面での戦いはW杯基準を持っていると感じ、選ばせてもらいました。

ー三笘薫が不在になることの影響をどう考えているか

これまでの活動でいうと、三笘がチームの大きな存在だったということは、我々を見ている、日本代表を応援してくださっている方も、対戦国で我々を見ている諸外国のチームスタッフも認識していると思います。色々な方がチームとしてマイナスの要因がある、圧力が少し下がったと感じるところはあるかもしれません。冷静に考えれば、彼はチームを牽引してくれるだけの活躍をしてくれていましたし、日常の所属チームでも世界トップトップと言われるプレミアリーグで素晴らしいプレーをして、存在感を見せてくれているという意味では、チームにプラスアルファの力、彼が持っている力を与えてくれていたことは間違いないと思います。

しかしながら、去年のブラジル戦の時、三笘不在の中でこれまで一度も勝ったことがなかった相手に親善試合とはいえ勝つことができたという部分においては、チームコンセプトである「誰が出ても勝つ、誰が出ても機能する」という所で、チームの総合力で戦っていくことをこれまでやっています。その時のメンバー編成がベストだということで、今回のW杯に向けて今選んだ選手がベストな選手だと思っているので、これまで同様、誰かが欠けたという部分ではそのキャラクターがいなくなったというところはありますが、総合力でチームで勝っていくというところはこのW杯でも結果をもって、皆さんに見ていただければと思います。

ただ、三笘については本当に大きなケガを負って、そして北中米W杯に向けて、自分の力を最大限に伸ばしてチャレンジした中で、日本代表として戦ってチーム力を上げるという思いを持って日常から、代表活動まで全力を尽くしてくれていたので、これまでのチームへの貢献に感謝したいです。誰が一番痛いかというと、本人が一番痛く辛い思いをしていると思います。彼には少しでも落ち着いて、早く自分が思い切ってプレーできていると思えるような状態に戻ってほしいなと思います。

ーメンバー発表の後、少し目が潤んでいるように見えました。涙の意味は

選んだ選手に関しては思い切ってプレーして欲しいという思いはありますが、W杯の舞台に立ちたいと思っていても、その思いを叶えてあげられなかった選手たちのことを考えると、感情の部分で少しコントロールできない部分が出てくるかと思います。

ー4年前は「行雲流水」という話をしていたが、現在の心境を四字熟語で表すと

『凡事徹底』かなと思っています。W杯は特別な舞台ですけど、でも特別な舞台だから何をするというわけではなく、これまでやってきたプロセスの先にW杯があると思っています。プロセスの部分、『凡事徹底』という言葉を選手やスタッフと何度も共有してここまで来たので、今できることをしっかりとやって、最善の準備をして全力を出し切ることを一戦一戦、これまで通りやっていきたいと思います。

ー冨安健洋の今のコンディションをどう見ているか。大会までに100%に戻ると見ているか

冨安のコンディションにおいては、練習試合では90分やっているという情報を持っていますし、戦術的に直近の公式戦の舞台ではプレーしていませんが、メンバーに入って、コンディション的には問題ないということを、実際に現地にメディカルスタッフ、チームスタッフが行って確認しています。

基準として練習試合ではいけないと思います。3月のイギリス遠征前のパフォーマンス、特に指標となるアヤックスvsフェイエノールトのオランダリーグの中でも屈指のインテンシティのゲームの中で見せてくれたパフォーマンスは、素晴らしいプレーをしてくれていて、基準としてはW杯基準を確認させてもらったなか、ケガの問題はない、コンディションは上がっていると思います。アイスランド戦で親善試合もできるという点では、ワールドカップに向けてインテンシティの高い試合で準備ができながら、コンディションを上げていけることで選ばせてもらいました。

ーバックアップメンバーは置かないということでよろしいでしょうか?

バックアップメンバーに関しては、ここで公式発表はしませんが、選んで選手には伝えて、準備をしてもらうことを考えています。

ーボランチの選手が鎌田大地、佐野海舟、田中碧、遠藤航の4名であり、遠藤が回復途上と考えると人数が少ないかと思う。藤田譲瑠チマ、守田英正を選ばずに4人で回せると考えた理由は

鎌田、佐野海舟、田中碧については所属チームでしっかりプレーできているので計算が立ちます。(遠藤)航についてはプレーできていない点では計算が立たないというのはおっしゃる通りだと思います。その時の対処として、試合の中で状況によってどう手を打つかわかりませんが、ディフェンスラインのプレーが多いですが、例えば板倉滉はアヤックスで直近の試合はボランチとして出ていますし、瀬古歩夢もセンターバックをやりながら少し前はボランチでのプレーが多かったです。しっかりとカバーを考えて、ただポジションを当てはめるだけでなく、チーム力を維持できるだけの選手が揃っていると思っています。

ーケガ人が相次いでいる中で、ケガでできる、できないの基準はどう判断したのか。ケガ人が増えている中で優先したことは

至ってシンプルでメディカルの判断です。最終的に招集するかしないかの決断は私自身がしていますが、プレーできるかどうかの見通しに関しては、プロフェッショナルであるドクターが実際に見て、そして診断を下すということに従っています。

ーカタールW杯後もブラジル、イングランドと強豪国に勝利してきましたが、2期目となったこの4年間で選考してきた選手たちの成長について。監督が選手から影響を受けて変化したことは

選手たちは常に向上心を持って、自分を高めようとする姿勢を見させてもらいました。常時、常連組として招集できた選手もいれば、招集の回数が少なかった選手もいる中で、全ての選手がW杯に出たいではなくて、W杯で勝つという基準を持って成長を見せてくれたと思っています。

選手の雰囲気から凄く感じることは、我々は試合において勝つか負けるか引き分けかという結果が出る中で、常に勝利を目指して、自分ができることを練習の時から、もっというとプライベートな時間も含めて心を整える、フィジカルコンディションを上げるということを、『凡事徹底』してくれました。

勝っても負けても一喜一憂しすぎることなく、勝てば嬉しいですし、勝利を目指している中で負けたり引き分けたりすると悔しい部分は出てきますが、全てにおいて成果もあれば課題もあるということ。目指しているものはこの先の大きなものなんだ。世界一を目指しながら戦っているということで、凄く落ちついているなと雰囲気が変わってきました。

ブラジルとの対戦やイングランドとの対戦で、過去一度も勝ったことがない相手に勝ったことで、もちろんチームとして喜んでいますが、すぐに切り替えて次に違う目標が自分たちにはあるということを、喜びとその先の目標に向けて落ちついて考えている雰囲気を感じています。

私自身もできるだけ国内から世界の情報を受け取って、世界基準、世界の価値観をできるだけ取り込んで、日本の価値観とミックスして、日本の最大値をアウトプットする。チームのマネジメントに活かすことをしていますが、色々なヨーロッパのチームで活躍する選手が多いので、どういう戦術でやっているか、役割でプレーしているか、監督やコーチにどういうことを指導されているかということを受け取って、世界基準ということでやらせてもらえているということは、選手から学ばせてもらっています。

選手はどこまでも突き抜けていきたい、向上心の塊なので、この選手たちを今よりもこの代表期間で成長のきっかけになることを働きかけられるかは、選手から自分もコーチ陣も含めて成長させてもらっていると思います。

ー後藤啓介、塩貝健人の若い2人を選んだ理由について。三笘薫が不在であることは影響しているのか

(前回の)カタールW杯、北中米W杯に向けて、2期私がやった中で最後の最後に入ってきて、経験値から言うと他の選手を選んでいてもおかしくはありません。実力的にも同等の選手はいるので、(他の選手を)選んでいてもおかしくないと言えます。

この1シーズンを見ただけでもかなり成長しているなと。成長曲線を見た時に、W杯を経験する中で、大会期間中もさらに成長して、チームの力となってもらえるのかなという、今と未来への期待を込めて招集させてもらいました。

ー三笘薫は本当にチームの中心で、大きなケガを負ってしまった中で、W杯優勝という目標に変わりはないか

目標に変わりはないです。ただ、目標は目標だけでなく、これまでやってきたことは今の力よりも少しでもチーム力を上げていくために、個々がレベルアップ、チームとしてもレベルアップすることをやってきました。

目標から逃げるということではなく、我々がやっている今の時代で、私が監督としてこの場にいるのも、日本サッカー界の歴史の一部だと思ってこの場にいますし、仕事もさせてもらっています。過去の日本サッカーの発展に尽力してくださった先人の方々、多くの方々の努力の積み重ねで、少しずつレベルアップしてきて、過去から今を受け取って、今私自身が監督としてチームをマネジメントさせていただいている中で、今の日本代表の勝利と日本のサッカーの発展を少しでもできるようにということでやってきました。やってきたことが、我々も繋げていただいた通り未来に繋げていきたいと考えています。

目標は凄く大切なことだと思いますが、目標にとらわれるよりも、自分たちが力をつけることが目標達成に近づくと思いますし、自分たちが力をつけることで目標が近づいて来てくれると思います。まずこのW杯でも勝つということと、成長することを一戦一戦勝利を目指して、最善の準備と全力を尽くすことをやっていきたいと思います。

三笘に関しては先ほども申しましたが、本人が一番痛くて辛い思いをしています。我々にとっても大きな痛手ですし、悲しいケガだと思っています。彼がチームにもたらしてくれたものにも成長があって、彼がいないから結果が得られない、成長が得られないということではありません。誰が代わりかということもないですが、みんなで勝っていく、みんなで成長していくということをこれまで通りやっていければと思います。

ー今回のメンバーは13名が初選出。半数がW杯を複数回経験していることになるが、前回大会より増えたことのメリットは。またそのバランスについてはどう考えているか

チームの構成において、質問される前、決める前で考えると、もっとカタールW杯やその前のW杯経験組が多いチーム構成になるかなと想像していました。ただ、今のベストということで、この人選においては、我々コーチングスタッフがニュートラルに選手の競争を見て、今のベストということで過去と今を掛け合わせて、未来にどう繋げていくかということで、今のベストとして選ばせてもらいました。

我々スタッフがやってきたこれまで通りではなく、その時の戦いがこれからということを踏まえて、過去の実績はもちろん尊重しながらも、できるだけニュートラルに今の力を見ていこうという選考の仕方が、今回のW杯でもそのまま反映されたのかなと思います。

それでも、カタールW杯から経験値の部分では複数回W杯に出る選手が増えたということで、チームの落ち着きという部分では、経験者が多い方がより落ち着いて、色々な状況に対応しながら力を発揮していくことに近づくかなと思います。

ー前回大会を踏まえた上でのチーム作り、今回のメンバーに反映された点。直近の大会の影響を反映できる初めての機会となるが

カタールW杯での経験を活かさせてもらって、この北中米W杯では成果と課題をもう1回振り返った中で、自分の仕事を全うしたいと思います。私自身は日本人として、日本のサッカーに携わる者の1人として、過去の歴史全体も見させてもらった中で、今回のW杯にも挑みたいと思います。

私自身の経験だけではなく、外国人の監督も、日本人の監督では岡田さんや西野さん、たくさんのスタッフがこれまでW杯を経験してきています。その全ての経験・知見を活かさせてもらいながら、この北中米W杯で勝つ可能性を少しでも上げられるように、もう1回整理して、過去の経験を活かして全力を尽くしたいと思っています。

宮本会長、山本技術委員長は、我々の戦う環境として現場や現場周りのことも含めて、世界一を目指すということで、過去のやったことの経験をそのままではなく、どうやったら世界一に近づけるのかという点で、環境作りをしてくださっています。これまでやったことを活かしながら、このW杯で必要だと思うことをプラスして、万全の準備でW杯に自信を持って、勇気を持って挑みたいと思います。

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