トランプ氏の「台湾」譲歩警戒=日本政府、米中会談を注視

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 日本政府は、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談について、トランプ氏が台湾問題で譲歩する事態を警戒している。東アジアの安全保障バランスを崩しかねないためで、情報収集や分析に全力を挙げる考えだ。
 木原稔官房長官は14日の記者会見で、首脳会談について「米中関係が日本を含む国際社会の安定に資するものとなることが重要だ。高い関心を持って注視している」と述べた。「台湾海峡の平和と安定は国際社会全体にとり重要であり、台湾を巡る問題が平和的に解決されることを期待する」との立場を重ねて示した。
 習氏は14日の会談で、台湾を巡り「衝突の恐れがある。最大限慎重に処理すべきだ」と主張。「台湾独立と台湾海峡の平和は相いれない」と語った。会談では米国による台湾への武器売却についても議論したとみられる。
 トランプ氏は11月の米中間選挙をにらみ、経済・貿易分野などでの成果を誇りたい考え。今年後半に習氏の国賓訪米を予定しており、国際会議を含め計4回の対面会談実施が取り沙汰される。「双方にとって蜜月ぶりのアピールが狙い」(日本外務省幹部)とみられる。
 米中の急接近も想定される中、日本政府はトランプ氏が米国の利益の見返りとして中国側に有利な立場を表明する可能性を警戒する。政府関係者は「台湾問題で譲ると言いかねない」と不安を隠さない。
 歴代の米政権は、台湾問題の「平和的解決」を求めつつ、台湾独立は「支持しない」という立場を堅持してきた。日本政府筋は「米側の対中政策は変わらない」と述べながらも「不確定要素は予測不能なトランプ氏だ」と指摘。台湾独立に「反対する」などと発言しないか警戒を強める。
 米中首脳は15日も昼食会などを予定。日本政府は一連の会談後、米側から報告を受け、内容の分析・精査を急ぐ考え。木原氏は会見で「わが国に対する影響も含め、今後情報収集を進めていきたい」と述べた。