若者に広がる「ニコパフ」=未承認たばこ、販売で摘発も―専門家「違法薬物の入り口に」

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 ニコチン入り電子たばこ「ニコパフ」が若者の間で広がっている。国内では未承認で、販売や譲渡は禁止されているが、ニコパフを巡る事件は相次ぐ。専門家は「違法薬物の入り口になる危険性もある」と警鐘を鳴らしている。
 「ニコチン」と、吸うを意味する英単語「puff」を組み合わせた造語で、香り付きの液体を加熱し、蒸気を専用機器で吸う仕組み。「煙の臭いが少なく部屋で吸えるのが魅力的」。大阪・ミナミの繁華街で、フリーターの男性(20)はグレープ味のニコパフを手に、こう話した。1年ほど前に友人からもらい、吸い始めたという。「さわやかな味が好き。譲渡が違法だとは知らなかった」と打ち明けた。
 最近まで使っていたという20代の大学生は「加熱式たばこよりお金がかからず、おしゃれさに引かれた。周りで吸っている人も多い」と話す。
 「紙巻きたばこに近い満足感」「フレーバー(香味)多様性」。インターネット上の販売サイトでは、色鮮やかな外観に「アップル」「マンゴー」などさまざまな商品が並び、1個数千円程度で売られている。
 ニコパフは、ネットなどを通した個人輸入や使用自体は違法ではない。ただ、ニコチンを含む製品に必要となる医薬品としての承認を受けていないため、国内で販売、譲渡した場合は医薬品医療機器法違反となる。
 大阪府警によると、昨年夏ごろからニコパフの取扱件数が増加しており、今年3月にはニコパフを売ったとして大学生や高校生を摘発した。大学生は海外サイトで購入し、SNSでの販売を繰り返していた。府内では、少年グループがSNSで知り合った別の少年を襲い、ニコパフとみられる電子たばこや現金を奪う強盗致傷事件も起きている。
 たばこ対策に詳しい地域医療振興協会(東京)のへき地医療研究センターアドバイザー、中村正和さんは「たばこ製品に比べて有害成分は少ないが、発がん性物質などが発生する」と指摘。未成年者の使用を制限する法律がない現状を踏まえ、「違法薬物に手を出す入り口になりかねない。たばこ製品同様、未成年者が買えないよう規制すべきだ」と強調した。 
〔写真説明〕押収されたニコチン入り電子たばこ「ニコパフ」=3月9日、大阪市中央区
〔写真説明〕男性が所持していたグレープ味のニコパフ=3月19日、大阪市中央区