水道メーター盗難相次ぐ=価格上昇の銅使用、売却目的か―団地などの空室狙い、対応に苦慮

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 家庭などの使用水量を計測する水道メーターの盗難が後を絶たない。価格上昇が続く銅が使われており、売却目的で盗んだとみられる。各地の担当者は注意を呼び掛けるが、団地や集合住宅の空室を狙った犯行が目立ち、有効な防止策がないのが実情だ。
 静岡県内では3~4月、静岡市や藤枝市など7市の市営団地などで計449個の被害が確認された。いずれも入居者のいない空き部屋で、水漏れなどが起きたことで発覚した。関係者は「知識があれば、メーターのナットをスパナなどの工具で緩めることで比較的簡単に外せる」と打ち明ける。
 静岡市上下水道局などによると、メーターは一般的に重さ2キロ前後で、多くの銅合金が含まれる。銅は近年価格が上がっており、メーターは1個当たり1800~2000円ほどで売れるとみられる。
 同局は「売却目的の可能性が高い」とみて、市民や金属買い取り業者に注意喚起。県警幹部は「入居者のいない部屋は被害の発覚が遅れやすい。1個当たりの売却価格は安いが、『ばれにくい』という低リスクを狙った犯行だ」と指摘する。
 北九州市八幡西区の市営団地では昨年11月、空室4戸から4個が盗まれた。福岡県警によると、昨年以降、福岡市などで同様の被害が発生。隣接する山口県下関市は今年3月末、市内の浄水場で保管していた1341個が盗まれていたことが分かり、被害届を出した。
 東京都墨田区の都営アパートでは昨年11月、7棟から計50個以上が盗まれた。警視庁は窃盗容疑で無職の男ら2人を逮捕。2人は犯行当日、都内の金属買い取り店で売却していたという。都水道局によると、都内では今年4月にも、町田市の都営住宅2棟で計31個が盗まれたことが発覚した。
 神奈川県横須賀市の集合住宅では2月以降、143個が盗まれた。市上下水道局の担当者は「メーターを外すだけなら手慣れた人だと1個につき1分もかからない。職員による見回りを強化したが、対応に苦慮している」と話す。
 一戸建てでも被害は確認されている。広島県廿日市市では昨年3~12月、戸建て住宅などで計6個の盗難が発覚。県水道広域連合企業団の担当者は「水は全域に配られており、全戸を常に見て回るわけにもいかない。検針の際の確認強化がぎりぎり取れる対応だ」とこぼした。