「え、間違えてる?」運賃が“隣駅より安い”逆転現象とは? “2倍以上遠い駅のほうが安い”ってナゾすぎる!?

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一般的には運賃計算上で最も安い区間は隣駅ですが、JRの場合はそうとも限りません。とある“特例”によって、隣駅よりも乗り換えを重ねた数駅先の方が安いパターンが存在します。

羽沢横浜国大駅の運賃設定がバグってる件

 JR・相鉄直通線の羽沢横浜国大駅。その改札外の路線図を見ていると、不思議な“現象”が起きていることに気づきます。

 同駅に停車する列車の隣駅は、JRの「武蔵小杉」で、運賃は341円(IC運賃、以下同)。しかし、少なくとも2回乗り換えないと行けない京浜東北線の「鶴見」が、それよりも安い290円、その隣の京浜東北線「新子安」「東神奈川」も253円となっているなど、隣駅の武蔵小杉よりも安く設定されているのです。

 実はJR線において「隣駅ではない駅のほうが安い」という現象は、他の区間でも見られます。

 その分かりやすい一例が、宇都宮線・高崎線(上野東京ライン)の列車が停車する尾久駅(東京都北区)の運賃です。駅名標に記載されている隣駅は「上野」と「赤羽」で、いずれもICカード運賃(以下同)は199円です。しかし同駅からは、隣駅よりも安い運賃で行ける区間があります。

 尾久から最も安い運賃で行けるのは日暮里駅で、155円です。いったん上野へ行き、山手線または京浜東北線に乗り換えて2駅先の日暮里駅まで行く経路が、最安となります。

 各種の乗換案内アプリでも、尾久~上野より尾久~日暮里の方が安いという結果が表示されます。なお、この経路で日暮里のひと駅手前である鶯谷駅までの場合は、199円となります。

 理由は、尾久駅が東北本線の支線上に位置しているために設けられた“特例”にあります。

 この支線の起点は日暮里駅に設定されていますが、同駅には宇都宮線・高崎線のホームがないため、尾久から日暮里へ行くには必ず乗り換えが必要です。そこで、尾久~日暮里間の移動においては「日暮里~上野間の運賃を計上しない」というルールが設けられています。

 これは「特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例」と呼ばれ、JR線のいくつかの区間で設定されています。

通過する「隣駅」がポイントに?

 冒頭の羽沢横浜国大駅からの運賃は、武蔵小杉駅や羽沢横浜国大駅が東海道本線の支線上に位置していることによる特例が影響しています。

 横須賀線が品川~横浜間で経由する通称「品鶴線」や、JR・相鉄直通線の運賃計算上の起終点は、「鶴見」に設定されています。

 JRと相鉄の直通列車はJR貨物線を使用しており、実際には停車しないものの鶴見駅を経由します。つまり運賃計算上、羽沢横浜国大の隣駅は、約8.8km先にある鶴見とみなされるのです。

 このため、「羽沢横浜国大~武蔵小杉」の1駅(約16.6km)が341円である一方、「羽沢横浜国大~武蔵小杉~(横須賀線)~横浜~(京浜東北線)~鶴見」という約38.6kmの移動では、横須賀線および京浜東北線の乗車区間が運賃計算に含まれない特例が適用され、209円で利用できます。

 他方、新子安駅や東神奈川駅までの運賃は前出のとおり253円です。羽沢横浜国大駅から上記の乗り換えルートでいくと、両駅とも横浜駅寄りで「鶴見より近い」はずですが、これも「運賃計算上は鶴見のほうが近い」からです。ちなみに、鶴見駅を起点とする鶴見線の各駅も、羽沢横浜国大駅から209円~253円などとなっています。

 このような特例は、今回紹介した区間以外にも存在します。横須賀線やJR・相鉄直通線に関する運賃の扱いについても、さまざまなパターンが設定されています。