再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を巡り、X(旧ツイッター)上で法務省の姿勢を批判する投稿が広がっている。再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を残す政府案に自民党の事前審査で異論が相次ぎ、怒号まで飛び交ったことが世論の関心を引き付けたもようだ。着地点がどこになるか、議論は近くヤマ場を迎える。
時事通信はSNS分析ツール「ブランドウォッチ」を使い、「再審」「再審法」などの関連語を含むXの投稿(リポストを含む)を調べた。それによると、4月1~30日の総数は14万9293件。自民の法務部会・司法制度調査会合同会議で条文審査に入った同月3日に投稿されたのは1378件だったが、週末を挟み、会議の紛糾ぶりが目立った6日は1万1485件と8倍超に急増。翌7日には1万2875件まで伸びた。
これに伴い、「反対」「ひどい」といった言葉を含む批判的な声もX上で拡大。3日は482件だったが、6日は4180件に上った。4月の1カ月間でこうした投稿は総数の3割程度を占め、具体的には「法務省・検察だけが(抗告禁止に)反対している異様な構図」や「人の命、人生に関わる問題」とする指摘が目立った。
火付け役となったのが、弁護士でもある稲田朋美元政調会長だ。6日の合同会議の冒頭、報道陣の目の前で法務省幹部らに「1ミリも私たちの言い分を聞かない」と猛抗議。X上で「稲田の乱」というキーワードとともに瞬く間に拡散された。
15日の合同会議でも井出庸生衆院議員が「法務省のためにやっているんじゃない。ふざけるな」と激高。16日の投稿は再び1万件を超えた。会議が休止状態となった4月後半も、1日当たり3000~8000件の投稿が続いた。
一緒に使われた単語を見ると、「抗告禁止(2.6万件)」「問題(1.7万件)」「批判(1.7万件)」が上位に入った。検察官抗告によって実際に再審公判が始まるまで9年余りを要した袴田巌さんの例を念頭に「法務・検察は反省していない」と断じる声もあった。
今国会での成立を目指す法務省は、5月前半のうちに事前審査を終えたい考え。検察官抗告を「原則禁止」とする再修正案を7日の次回合同会議に示す方向だ。だが、「全面禁止」を求めてきた議員の態度はなお硬い。
〔写真説明〕SNSツール「ブランドウォッチ」で分析した、4月1~30日にX上で投稿された「再審」に関連するワード