今や「軽の証」ともいえる黄色いナンバープレート。実はかつては普通車と同じ「白」で、サイズも一回り小さかったことをご存じでしょうか。なぜ黄色に変更されたのか、その意外な歴史と理由に迫ります。
1974年までは「白くて小さい」ナンバー。料金所での識別性を高めるため黄色に
日常の足、いわゆる「下駄車」として、通勤や買い物で普段使いしている人も多い軽自動車。営業車や配送トラックなどでも多用されています。
そんな「軽自動車の証」ともいえるのが黄色いナンバープレートでしょう。しかし、かつては普通車と同じ「白」で、サイズも一回り小さいものでした。なぜ黄色に変更されたのでしょうか。
そもそも、軽自動車のナンバープレートが白かったのは1974(昭和49)年までです。当時は、前述したように普通車と比べ一回り小さかったため、「小板(しょうばん)」と呼ばれており、そこに緑色の文字で文字や数字が並んでいました。
なぜプレートを小さくしていたのか、それは軽自動車の車体が小さかったからです。当時の軽自動車は、エンジン排気量も360ccであり、車体を今よりずっと小型でした。しかし、制度改正により1975(昭和50)年からは普通車と同じサイズの黄色いナンバープレートに変更されています。
黄色いナンバーが登場した背景には、高速道路などで、普通車と軽自動車を見分けやすくする(視認性・識別性を高める)狙いがあったとされています。
当時はETCがなく、料金所では収受員が目視で車種を確認して料金を徴収していました。
軽自動車は普通車よりも通行料金が安く設定されていたため、遠くから走ってくるクルマが普通車か軽自動車かをひと目で見分けられるようにする必要がありました。
そこで、識別性を高める目的もあって、遠方からでも目立つ黄色が採用されたのです。走ってくる車両を瞬時に判別し、現場での識別を円滑にすることで、スムーズな通行を実現するための効率化の知恵でもありました。
視認性の高さがメリット!ETCの普及で変化した役割と「白ナンバー」への注目
黄色は昼夜を問わず目立ちやすいため、夜間でも普通車と軽自動車を一発で判別することが可能でした。
加えて、自家用を「黄色地に黒文字」、事業用を「黒地に黄色文字」と分けることで、車両の用途も明確に判別できるように整理されています。こうした色分けは、警察官などが交通取り締まりを行うにあたっても、やりやすかったはずです。
しかし、現在はETCの普及などにより、高速道路の料金所などで係員がナンバープレートの色だけを頼りに車種を判別する場面は大きく減りました。そのため、導入当初と比べると「黄色ナンバーが料金区分の識別において果たす役割」は相対的に小さくなってきているのは否めません。
一方で「ラグビーワールドカップ2019特別仕様」や「東京2020大会特別仕様」の白地のナンバープレートが登場、「軽だけれど白いナンバーにしたい」という需要がかなり大きいことも、注目されるようになりました。
その後も軽自動車でも白地の図柄入りナンバーを選べるようになっています。なお、ラグビーワールドカップ2019特別仕様は、軽自動車と普通車の区別がありませんでしたが、現在は、黄色の縁取りが施されて比較的見分けが付くようになりました。
かつては実務的な識別のために選ばれた黄色ですが、時代とともにその役割やユーザーの捉え方も変化しているようです。