アメリカ海軍が配備予定の強襲揚陸艦「ブーゲンビル」と「ファルージャ」の引き渡しがかなり遅いことが話題となっています。
月刊空母と言われたのは今や昔…
アメリカ海軍が配備予定のアメリカ級強襲揚陸艦「ブーゲンビル」と「ファルージャ」の引き渡し予定が、それぞれ約1年延期されることを、アメリカ海軍協会の公式メディアであるUSNIニュースが報じました。
当初の計画では、「ブーゲンビル」は2026年8月の予定でしたが2027年7月に、「ファルージャ」は2030年9月から2031年7月へと、それぞれ引き渡しが延期されるとのことです。
この2隻については、もともとの建造期間が約9年と長期に及んでいましたが、今回の延期によりさらに約10年へと延びることになりました。例えば、先代の強襲揚陸艦であるワスプ級の場合、各艦はおおむね4〜5年で完成しており、現在は倍近い時間が建造にかかっていることになります。
これほど建造に時間を要している背景には、造船業における労働力不足の問題があります。2020年に始まった新型コロナウイルスの感染拡大の際、多くの熟練労働者が退職したことに加え、地域のサービス業との競争により人材確保が難しくなっている状況があります。さらに、新型レーダーを搭載するアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトIIIとの戦闘システム統合も想定されており、こうした技術面での複雑さも建造遅延に拍車をかけています。
こうした遅延はアメリカ海軍の戦略にも大きな影響を与えています。2024年12月に政府監査院(GAO)が発表した報告では、揚陸艦の即応率(出動可能な状態にある割合)が46%にとどまり、要求される50%を下回っていると指摘されています。また、強襲揚陸艦以外の艦種でも同様の遅延が発生しています。
アメリカ海軍では、慢性的な艦艇就役の遅延を補うため、既存艦の整備間隔を短縮する、配備期間を延長するなどの対策に加え、小型艦による一時的な任務代替や、日本を含む同盟国との任務分担など、さまざまな方法で対応しています。