自転車で走ったら「詰む」 反則金取るなら走れる道を…品川の国道で感じた理不尽 「今後考えます」と国交省

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2026年度から「自転車は原則車道」が徹底され、反則金制度も始まりました。しかし、道路工事では自転車の走行空間が考慮されておらず、危険な状況が運転者任せにされています。

自転車の交通安全は「自己判断」

 2026年度から道路交通法に自転車にも反則金制度が導入され、「自転車は原則車道」の交通ルールが厳格化されました。片側3車線~4車線ある国道15号も例外ではなく、歩道を避けて、自転車を走る姿が目立つようになりました。

 特に自転車の利用者にとってやっかいなのが、道路と鉄道を含めて大規模な再開発事業が進行中の東京都港区、国道15号(第一京浜)界隈。平行して走るJR高輪ゲートウェイ駅から品川駅にかけて広範囲に工事が継続中で、これによる車線規制が行われている区間です。

 再開発工事が道路を占有し、車線が従来の半分程度に狭められている区間もあります。工事で車線が2車線しかない区間も、一部は自転車が通行できる充分な空間がありません。引き直された車道外側線の左側(歩道側)ぎりぎりまで工事現場を主張するバリケードが立てられているため、自転車は制限時速60km/hに指定された2車線しかない車道を通行しなければならないのです。

「走行空間がゼロ」の状態で、自転車利用者が「法を守れば命の危険、歩道を走れば違反の可能性」という逃げ場のない状況。反則金制度の施行と同時に工事現場を車線で区切るのではなく、工事現場の占有を自転車の通行にあわせてセットバックさせることはできなかったのでしょうか。国土交通省国道技術課は、こう回答します。

「品川駅前周辺の国道15号では、可能な場合は幅1.5mほどの自転車の走行空間をとっていますが、工事の関係でとれない場合があります。道路交通法では自転車は車道の左側端を走らなければならないと定められていますが、工事の影響などで安全に走行できない時は歩道通行ができることも定めています。自転車は道路交通法に基づいて、安全に走行することが基本です」

手厚い「歩道」とビュンビュン「車道」のはざまで

 自転車走行空間の確保は、実はどの法令にも定められていません。

 通行に必要な道路を占有して行う道路工事でも、走行空間の安全確保は“歩道”に限定されています。それが自転車、原動機付自転車などの交通弱者が、車道の制限時速と大きな隔たりがあっても、対策を放置される原因になっています。

 免許教育を受けた四輪車などの車両に対しては、運転者が判断を迷うようなあいまいさはありませんが、免許教育を受けていない交通弱者が運転する車両ほど、運転者自身が法令を熟知して走らなければならない“不親切”な道路占有を容認せざるを得ないのです。

 例えば、品川付近の現場には自動車向けに「左折時歩行者注意」の注意喚起がありました。もし、歩道を走るほうが自転車の安全を確保できるとしても、「自転車は歩道へ」とは表示しないのです。

 道路工事現場の規制については「建設工事公衆災害防止対策要綱」が定めています。歩道が道路工事で占有される場合は、車椅子やベビーカーの通行を想定して幅1.5mの安全にすれ違うことのできる空間を確保すべきという義務付けがあります。

 ただ、この要綱は建設現場全体の公衆災害防止(工事を原因として地域住民や通行人が負傷する事故)を定めたもので、道路利用者とは離れた視点で、建設事業者のために作られています。これでは道路が狭められても、通行がしにくくなっても、責任をもって対策がとれる理由が見つかりません。

 国道技術課の対策は、これからです。「時代に即した対応は必要だと考えている。法律に照らして問題はないと思うが今後、考えていきたい」としています。

 自転車でも反則金の時代。法律は、知らなかったではすまされませんが、「法令がないから安心できる走行空間を提供できない」という道路行政に本当に問題はないのでしょうか。

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