2026年4月15日、ゴジラシリーズ最新作である映画『ゴジラ-0.0』の第1弾PVが公開されました。この映像に登場した二式飛行艇(二式大艇)。実はかなり快適だった機体としてしられています。
戦時中の大型機のトイレはどうなっていた?
2026年4月15日、ゴジラシリーズ最新作である映画『ゴジラ-0.0』の第1弾PVが公開されました。同作は2023年11月に公開された『ゴジラ-1.0』の続編ということで、前作に引き続き日本の第二次大戦時代の兵器が登場することが期待されていましたが、いきなり二式飛行艇(二式大艇)が登場し話題となりました。
同機は、旧日本海軍が保有した全長28m、全幅38mの大型飛行艇です。その巨体にもかかわらず最高時速470km/hに達したほか、主翼や胴体各部に設けられた計14個の燃料タンクにより、合計1万7千リットルを搭載可能で、最大8000kmを超える優れた飛行性能を誇りました。こうした性能を活かし、太平洋上での対地攻撃や偵察、救難、気象観測など、さまざまな任務に活用された大戦中の傑作機のひとつです。そうした兵器としての性能のほか、卓越した特徴がもうひとつありました。トイレです。
二式大艇は、乗組員や計器、武装のほかにも十分なスペースが確保されており、トイレのほかにも簡易的な寝台、調理用電熱器、冷蔵庫などが備えられていました。大戦中の日本軍機の中でも屈指の快適さを誇る航空機でした。
なおトイレに関して、海軍の大型機は特に先進的な構造だったといわれていますが、その中でも二式大艇はかなり設備が充実しており、観音開きの扉付きトイレが設置されていたそうです。しかも便座は洋式です。
今でこそ珍しくありませんが、日本で洋式便所が一般家庭に普及し始めたのは戦後の1960年代に入ってからです。そのため、同機のトイレは当時としてはかなり珍しかったと言えます。さらに水洗式であることも大きな特徴です。ペダルを踏むと水とともに“ブツ”が投下される自由落下式だったそうです。
そのトイレの様子は、かわぐちかいじ氏原作のマンガ『ジパング』にも描かれています。同作は、2000年代の海上自衛隊のイージス艦「みらい」が乗組員ごと大戦中(1942年)の太平洋にタイムスリップするという作品ですが、作中で二式大艇に乗った「みらい」の航海長・尾栗康平三佐がトイレを使い、「さすが海軍、洋式だ」と感心する場面があります。
トイレの快適さに関しては、おそらく大戦中に最もハイテクで卓越した性能を誇った爆撃機であろう、アメリカ軍のB-29「スーパーフォートレス」にも勝ります。同機は現在の旅客機と同様の与圧室を完備し、高高度でも酸素マスク不要で、しかも暖房完備のため、戦闘空域に入るまではTシャツ一枚でも過ごせました。しかし、トイレについては操縦室から仕切られていたものの、二式大艇のように完全な個室化はされていませんでした。
戦時中、二式大艇は要人輸送に使われるケースが多かったといわれていますが、こうした当時の水準としてはかなり快適な空間が用意されていたことも理由のひとつかもしれません。ちなみに、一式陸上攻撃機も要人輸送などに使われていましたが、こちらのトイレも洋式でした。ただしカーテンによる仕切りのみで、汲み取り式だったようです。
なお、現在自衛隊で使われているC-130「ハーキュリーズ」のトイレは折り畳み式で、布で隠す、ほぼむき出しのタイプです。同機は原型機が1954年に初飛行した機体であり、構造的には古さが残っています。一方で、紛争時の邦人救出などの任務では最新のC-2輸送機がよく使用されますが、同機にはプライベート空間が確保された個室トイレが備えられています。自衛官以外が搭乗する任務で同機が頻繁に使用される背景には、こうしたトイレ事情も関係しているのかもしれません。