「俺のため…?」両親の告白で知った”姉が犠牲”になったわけ【姉が帰らない理由 第7話】

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■これまでのあらすじ
父親の仕事上のミスをもみ消してもらうために、姉・絵美は義兄と結婚させられた。そして義兄から自由を奪われていた。その話を聞いた妻・遥は、義兄が父を助けたという話そのものに疑問を抱く。そんな中、智也のもとに義兄から電話がかかってきて…。


「困るのは君の家だからね」——北見さんの穏やかな声が頭から離れなかった。脅されてるのか?とにかく父さんに直接聞くしかない。

長い沈黙の後、父は重い口を開いた。20年前、会社で大きな損失を出したとき、専務の息子の鋭斗さんが「何とかする」と言ってくれた。その後、鋭斗さんに呼び出されて——姉との結婚の話をされたんだと。

「姉ちゃんの人生だぞ?!それでも父親かよ!」と怒りをぶつけた俺に、母さんが「あなたのためでもあったのよ。あなたはまだ中学生で…」と泣きながら言った。

俺のため——。
頭が真っ白になった。俺の学費も、就職も、この家の暮らしも、全部姉ちゃんの犠牲の上で成り立っていたのか。

そのとき、遥の言葉が頭をよぎった。「北見さんって、本当にお父さんを助けたのかな」父は、その疑問すら抱いたことがなかったようで「そんなこと…考えたこともなかった」と呟いていた。

真相はわからない…
けど、姉ちゃんは悪くない!

イラスト:まりお