「1強」高市首相にくすぶる不満=自民と意思疎通乏しく

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 2月の衆院選大勝で「1強」状態となった高市早苗首相に対し、自民党内で不満がくすぶっている。所属議員と交流する機会が少なく、「党との意思疎通を軽視している」と受け止められているためだ。こうした雰囲気を察したのか麻生太郎党副総裁ら政権幹部を昼食に招いたが、溝を埋められるか見通せない。
 首相は10日、首相官邸で麻生氏と鈴木俊一幹事長、萩生田光一幹事長代行に焼き魚がメインの昼食をふるまった。麻生、鈴木両氏と食事を共にするのは実に昨年12月5日以来。出席者の1人は「意思疎通を図るのが目的だから、和やかに昼食を食べた時点で目的達成だ」と笑顔で語った。
 もともと首相は、自民の有力者では珍しく「食事会が苦手」と公言。昨年10月の首相就任後も変わらず、公務を終えると首相公邸に「直帰」することがほとんどだった。7日夜には自身を支える保守系議員グループの夕食会に出席。夜の会合に参加するのは約2カ月ぶりだったが、滞在時間はわずか8分で握手を交わしただけで立ち去った。
 これまで、党内から不満は出ていたものの、衆院選で大勝したこともあり表面化していなかった。風向きが変わったのは、2026年度予算の参院審議がきっかけだ。
 25年度中の成立に固執した首相は、少数与党で野党と難しい折衝を強いられる参院幹部の立場を考慮せず審議短縮を強く指示。大方の見立て通り、野党の理解を得られず年度内成立は実現できなかった。無理筋の要求を受けた参院側からは「最低限必要な仕事はするが、それ以上は何もしない」との声が漏れる。
 首相は後半国会で、国旗損壊罪や国家情報会議設置法案といった「高市カラー」の濃厚な法案の成立を目指す。いずれも国論を二分しかねず、党内ですら慎重論が残る。こうした法案を確実に処理して「実績」を積み上げるには、参院を含む与党の協力が不可欠だ。
 党内では「首相のアキレス腱(けん)は孤独だ」(関係者)との見方が出ている。重鎮は「衆院では3分の2を超える議席があるが、首相の対応いかんで簡単にばらばらになる」として、党との連携強化を訴えた。 
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=10日午前、東京・永田町