【イスタンブール、ワシントン時事】イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師の名で出された声明が9日、米国との停戦合意後初めて公表された。イランが事実上封鎖する原油輸送の要衝ホルムズ海峡について「管理を新たな段階に移す」と述べ、通航制限による海峡の「支配権」を強める方針を示唆した。イランは海峡通過を求める船舶から通航料の徴収を始めたと報じられているが、声明では新たな管理強化の詳細には触れていない。
一方、トランプ米大統領は9日、ホルムズ海峡での通航料の徴収をイランに認めない考えを示した。SNSへの投稿で「あってはならないし、もし(徴収)しているなら今すぐやめるべきだ」と警告した。
モジタバ師は声明で、米イスラエルの軍事作戦を「最も重大な犯罪の一つ」と批判しつつ、「イランは絶対的勝者になった」と主張。「偉大な指導者(前最高指導者アリ・ハメネイ師)や全殉教者の復讐(ふくしゅう)への固い決意は心に残り続ける。われわれを攻撃した侵略者を見逃さない」として、交戦に伴う損害の賠償支払いを米国に求めると表明した。
イランが報復の一環として攻撃対象にしていた周辺国に向けては「あなた方を侮辱する傲慢(ごうまん)な国々と決別すべきだ」と訴えた。ペルシャ湾岸の米軍基地の閉鎖を含め、米国との関係見直しを求めたとみられる。
モジタバ師は先月8日の選出以降、公の場に姿を見せていない。今回の声明も肉声ではなく、国営メディアで代読された。
〔写真説明〕イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師=2024年10月、テヘラン(最高指導者事務所提供)(AFP時事)
〔写真説明〕トランプ米大統領=6日、ホワイトハウス(AFP時事)