ルーマニア人指揮官ミルチェア・ルチェスク氏が逝去した。80歳だった。
ルチェスク氏は現役引退後の1978年から監督業をスタート。これまでにルーマニア代表やインテル、ベシクタシュなど、イタリア、トルコ、ウクライナ、ロシアでクラブおよび代表監督を歴任した。2004年5月から2016年5月にかけて指揮したシャフタール時代の功績がよく知られ、同クラブでは8度のウクライナ・プレミアリーグ優勝や6度のウクライナ・カップ優勝を成し遂げた。2008-09シーズンには旧UEFAカップを制し、2015年には史上5人目となるチャンピオンズリーグで100試合を指揮した監督にもなった。
2024年8月には、1981年11月から1986年10月まで率いて以来、38年ぶりにルーマニア代表監督に2度目の就任。先月には7大会ぶりの出場を目指してFIFAワールドカップ2026・欧州予選プレーオフを戦うチームを率いていたが、3月26日に行われた準決勝でトルコ代表に0-1で敗れて本大会出場は逃していた。
その後、イギリスメディア『BBC』によると、ルチェスク氏は今月2日に体調を崩したことでルーマニア代表監督を辞任。翌3日朝には心臓発作を起こし、病院で治療を受けていたなか、代表監督を辞任してからわずか5日後の7日に亡くなったことが伝えられている。
1687試合を指揮し、47年にわたる指導者キャリアを歩んだルチェスク氏が逝去したことを受け、UEFA(欧州サッカー連盟)のアレクサンデル・チェフェリン会長は『UEFA.com』で「欧州サッカー界、そして世界のサッカー界は、その影響力、偉大さ、そして遺産が今後何世代にもわたって語り継がれるであろう、類まれな人物を失った」と綴りながら、次のように哀悼の意を表した。
「ミルチェア・ルチェスク氏は、サッカー界における真の先駆者の一人だ。稀有なサッカーの知性、並外れた品格、そして情熱を持ち合わせた人物であり、サッカー界への貢献は言葉では言い表せないほどだった」
「並外れたキャリアを通して、彼は知識、リーダーシップ、そしてサッカーの真の価値への深い献身によって、サッカー界全体から称賛と尊敬を集めた。彼の存在はチームを形作り、選手や同僚に刺激を与え、タッチラインをはるかに超えてサッカー界に永続的な足跡を残した」
また、ルーマニアサッカー連盟のラズヴァン・ブルレアヌ会長も次のようにコメントを発表している。
「今日はルーマニアと世界のサッカー界にとって暗い日だ。私たちはサッカー界のために生き、サッカー界のために尽くした人物を失った。ミルチェア・ルチェスクは人生のあらゆる瞬間をサッカーに捧げた人物だった。彼は単なる監督ではなく、何世代にもわたる選手たちの良き指導者だった。彼は人生で何よりもこのスポーツを愛し、私たちのサッカー界に与えた影響は計り知れない」