イラン、切り崩し強化か=ホルムズ通航、日欧も初の許可

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 【イスタンブール時事】イランが事実上封鎖している要衝ホルムズ海峡で、米国とイスラエルの軍事作戦後では初めて日本と欧州の関係船舶の通航が認められた。イランには、攻撃を強める米国とは距離を置く国々に便宜を与えることで、封鎖を批判する国際社会の切り崩しを図る狙いがあるもようだ。
 商船三井は4日までに、同社に関連する船舶2隻が海峡を通過したと明らかにした。フランス海運大手CMA・CGMのコンテナ船も通過に成功した。ただ、いずれも通航の詳細や条件などは公表していない。
 イランはホルムズ海峡のイラン領海内に回廊を設け、精鋭軍事組織「革命防衛隊」による通航料徴収など船舶往来を厳重に管理しているとされる。ただ、AFP通信は、商船三井船のうち1隻は回廊ではなく、イラン対岸のオマーン近海を航行したと推測されると報道。通航料を免れた可能性もある。
 イランはホルムズ海峡が「敵には閉じているが、安全な航行を望む国々には開かれている」(アラグチ外相)と主張。「敵対国」と「友好国」に選別して各国に踏み絵を迫り、米イスラエルに戦闘終結への圧力が強まる状況を望んでいる。優遇される中国やインドのほか、パキスタンやフィリピンなど自国籍船舶の安全な通航を個別に合意する国も増えている。
 アラグチ氏は欧州に対し「幾つかの国は経済的影響だけに懸念を示し、卑劣な攻撃に沈黙している」と非難していた。だが、フランスは攻撃に反対し、海峡通航を武力で再開するのは「非現実的だ」(マクロン大統領)との立場で、トランプ米大統領の迷走ぶりも批判した。イランは対話を通じた事態沈静化を呼び掛ける日本についても評価し、西側諸国の分断をもくろむ意図も透ける。
 イランにとって海峡開放は、米国に攻撃停止を迫る重要な切り札の一つで、容易に受け入れる余地はない。通航を巡る主導権を駆使し、今後も各国を揺さぶり続けるとみられ、ペルシャ湾内に依然40隻以上残る日本関係船舶の通航が円滑に進むかは不透明だ。 
〔写真説明〕ホルムズ海峡経由でインド西部ムンバイの港に到着した同国船籍の液化石油ガス(LPG)船=1日(EPA時事)