昭和生まれ41歳のディーゼルカーどうなる? 「新型」登場から10年 開業時の車両の置換え計画「意外な展開」に!?

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開業41年を迎えた茨城県の路線で、当初からのディーゼル車両が活躍を続けています。関係者を直撃したところ、置き換え計画の「意外な行方」を明らかにしました。

当初は「都会的で斬新」とも

 2026年3月14日に茨城県の第三セクター鉄道、鹿島臨海鉄道の大洗鹿島線が開業から41年を迎えました。大洗鹿島線は水戸-鹿島サッカースタジアム間53kmを結び、列車はJR東日本鹿島線の鹿島神宮まで乗り入れています。

 その運行開始から活躍を続けているのが、両側に運転台を備えたディーゼル車両の6000形です。6000形の形式名は、路線の開業が昭和60(1985)年なのに由来します。

 先頭部のデザインは貫通扉を挟んで左右に長方形の前照灯・尾灯を配しており、新造された当初は「ローカル線らしくない都会的で斬新なデザイン」との評価を受けて脚光を浴びました。側面には見た目から「田窓」とも呼ばれる2連型・2段窓を備え、乗降用の片開き扉を2か所設けています。

 車内は、乗客が背もたれを動かして進行方向に座席を切り替えることができる転換クロスシートを中心にレイアウトしています。乗車定員は120人。日本車両製造と、ライセンス生産した新潟鉄工所(現・新潟トランシス)が計19両を生産しました。

「新型」の登場からも10年が経過

 2016年3月からは、後継となる両運転台のディーゼル車両8000形の営業運転が始まり、6000形は置き換えが進んでいます。新潟トランシスが7両製造してきた8000形は客室の片開き扉を3か所に増やすことで、通勤通学時間帯などのラッシュ時にスムーズな乗り降りを実現しました。

 搭載したディーゼルエンジンは6000形より出力を高めながらも、音を低減。さらに鹿島臨海鉄道で初めての空気バネ式のボルスタレス台車を採用したことで、同社は「乗り心地も向上させた」と説明します。

 全てロングシートにすることで乗車定員が135人に増えた一方、8000系を利用した旅行客からは「転換クロスシートの6000形に比べて味気ない」との声も聞かれます。

 引退を惜しむ向きも出ている6000形の動向を筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)が取材すると、関係者は「意外な行方」を打ち明けました。

初期導入車両は1両だけ残存

 6000形のうち開業時に導入された1985年製の車両は6両あり、うち現役なのは6006号が唯一です。この車両と、1990年製の6015号の2両は2024年にリニューアルが実施され、外観で変わったのは行先表示器です。

 もともとは白地に黒文字で行き先などを記した方向幕でしたが、リニューアルした2両は3色LED(発光ダイオード)式の表示器に交換されました。オレンジ色の文字で行き先を発光。緑色の文字の「ワンマン」に切り換える場面も見られます。

 他にも老朽化した部品を交換したほか、内装の床材や化粧板の交換、転換クロスシート座席のモケットを取り換えるなどしました。

 関係者はこのリニューアルについて「基本的には延命対策工事だった」と説明し、6006号と6015号は当分残すことになることを明らかにしました。

今後の置き換えは8000形の増備ではない!

 関係者は営業運転で使われている6000形は「今のところ7両ある」とし、うち当分残すことになる6006号、6015号を除いた5両の置き換えを進めていくことを明かしました。

 ただ、5両の6000形の代わりとなるのは「8000形の増備ではない」とし、新たな電気式気動車を2026年度から順次導入することを打ち明けました。

 最初の1両は2026年度の営業運転開始を予定しており、購入のために国と茨城県、沿線の水戸市、鉾田市、鹿嶋市、潮来市、大洗町の5市町から支援を受けます。電気式気動車に関する詳細や、2026年度の導入時に6000形のどの車両が廃車になるのかについて鹿島臨海鉄道は「現時点では回答を控えさせていただきます」とコメントしています。

 鹿島臨海鉄道にはその後も「2026年度に導入するのと同じ形式の車両を2年に1両のペースで導入し、8年間かけて4両導入し、これに合わせて6000形の置き換えを進めていく予定」ということでした。

 これらの説明に基づくと、更新計画が変わらなければ6000形は少なくとも2030年代半ばまでは運用され、その時点で6006号と6015号が現役ならば少なくとも2030年代後半までは残存する見通しです。電気式気動車の登場で6000形の出番は減りそうですが、形式としては登場から半世紀後も残ることが期待できます。