政府・日銀、円安けん制へ原油先物に介入案=市場から意見聴取、実行に疑問も

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 政府・日銀が、原油先物市場への介入を視野に入れているとの観測が市場で浮上している。中東情勢の緊迫化による原油相場の高騰で、日本の貿易赤字が拡大するとの思惑から円売り圧力が強まっていることが背景にある。市場関係者によると、政府・日銀は金融機関に原油先物への介入に関する意見聴取を開始。投機的な動きを抑えることで円安をけん制する狙いがあるとみられる。
 片山さつき財務相は24日の閣議後記者会見で、「原油先物市場での投機的な動きが為替市場にも影響していると広く言われている」と指摘。「いかなる時もあらゆる方面で万全の対応を取る」と語り、原油先物への介入に含みを持たせた。
 政府・日銀はこれまで、ドル円相場の急変動時には外国為替資金特別会計(外為特会)の資金を使った為替介入を実施してきた。足元で為替相場は原油相場の高騰と連動する形で円安が進み、政府・日銀が前回ドル売り・円買い介入を実施した1ドル=160円水準に接近。政府は間接的に為替市場に影響を与えられるとして原油先物への介入も選択肢から排除しておらず、政府関係者は法律上は通貨安定のために原油先物を売買することも可能だと話す。
 先物相場で価格を下げるには大量の売り注文を出し、価格が下がったところで買い注文を入れて取引を相殺する方法などが考えられる。しかし、その効果や実現性には懐疑的な見方もある。市場関係者からは「介入できるとは思えない。ほのめかすことによるけん制の意味合いが強いのではないか」(国内銀行)、「介入すれば市場機能を損なうため現実的ではない。為替介入を行った方がいい」(資産運用会社)といった声が上がる。
 原油先物市場を巡っては米国でも今月、介入観測が浮上したが、ベセント財務長官は19日、米メディアで石油備蓄の放出で対応し、「金融市場への介入はしない」と否定。日本も26日から民間備蓄分に続いて国家備蓄を放出する予定で、エネルギー供給や価格安定へ全力を挙げる構えだ。