海保、運航実態解明急ぐ=安全管理体制が焦点―辺野古転覆発生1週間・沖縄

武器輸出可能に 防衛産業追い風

 沖縄県名護市の辺野古沖で船2隻が転覆し、女子高校生ら2人が死亡した事故は、23日で発生から1週間となった。海上保安庁は船を運航する市民団体の関係先を家宅捜索するなどし、実態解明を急ぐ。2隻は海上運送法に基づく事業登録がなく、十分な安全管理体制が取られていたのかが焦点だ。
 船を運航していた「ヘリ基地反対協議会」は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設への反対を掲げ、2004年から船やカヌーなどを使った海上での抗議活動を行ってきた。辺野古移設に関心を持つ人やジャーナリストらが乗船し、現場を視察することもあった。
 海上運送法は、不定期で人を運ぶ「一般不定期航路事業」を行う場合、事業登録が必要と定め、「安全管理規程」の作成・届け出を義務付けている。同規程では、運航を中止する風速や波の高さの基準などを定めることが求められる。
 同協議会は「事業ではない」と未登録の理由を説明。出航の判断は、風速などの基準を明文化せず、船長に一任していた。生徒が乗船していた同志社国際高校(京都府京田辺市)側との事前のやりとりも、死亡した船長が個人で担っていたという。
 第11管区海上保安本部(那覇市)は、20日に業務上過失致死傷容疑などで同協議会の事務所などを捜索。22日には、「平和丸」船長や救助に当たった地元消防などの立ち会いの下、引き揚げられた船の実況見分を実施し、事故当時の状況などについて確認した。
 事故は16日午前10時すぎ、辺野古沖で発生。平和学習に訪れた同志社国際高の生徒18人と乗組員3人が乗る2隻が相次いで転覆し、「不屈」の船長金井創さん(71)と平和丸に乗船していた女子生徒(17)が死亡、14人が負傷した。 
〔写真説明〕ヘリ基地反対協議会の拠点に置かれる転覆した「平和丸」と「不屈」(奥)=20日、沖縄県名護市辺野古