高市首相「暫定」編成判断迫る=譲らぬ野党、年度内成立厳しく―予算案

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 高市早苗首相が目指してきた2026年度予算案の「今年度内成立」が厳しさを増し、首相は暫定予算を編成するかどうかの決断を近く迫られそうだ。衆院段階での与党の強硬姿勢に反発した野党が「十分な審議時間確保が参院採決の条件」と譲らない中、年度末の31日が刻々と迫る。編成作業や国会審議の時間を考えれば「24日が判断期限」(自民党幹部)との声も出ている。
 「魔法のつえでもない限り、現実的には年度内成立は難しい」。立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長は19日、暫定予算の編成方針を週明けにも明確にするよう自民の磯崎仁彦参院国対委員長に迫った。首相が決断しない場合、他の法案を含めて審議に応じないこともあり得るとけん制した。
 年度内成立にこだわる首相の指示を受け、衆院では定数の4分の3を占める与党が「委員長職権」を乱発し、2000年以降最短となる59時間の審議で採決を強行した。しかし、過半数に4議席足りない参院では与党は同様の手法を取ることができず、審議時間を積み上げあぐねている。
 16日にスタートした参院予算委員会の審議時間は19日までで26時間。この先は24日の公聴会、25日の集中審議の日程が決まっているだけだ。その後の日程が仮に順調に入ったとしても、審議時間は月末までに50時間前後までしか積み上がらない。野党が求める例年並みの「60時間以上」には届かない計算だ。
 ここにきて追い打ちをかけるのが週刊文春が報じた松本洋平文部科学相の不倫問題だ。文春は19日、松本氏が国会での説明に反し、衆院議員会館に女性を招き入れた際に不適切な行為をしていたと報道。野党は「説明責任を果たすべきだ」と反発を強め、同日の参院文教科学委員会は延期となった。野党からは松本氏の辞任を求める声も出ており、年度内成立が必要な高校授業料無償化法案の審議の行方は不透明感を増している。
 予算案の採決で賛成多数を得る見通しも立っていない。参院本会議での可決に必要な4議席を確保するため、自民参院幹部はチームみらい、日本保守党、無所属などの議員に協力を呼び掛けるが、いずれも「無条件では賛成できない」(保守関係者)と条件闘争を続けているのが現状だ。
 参院自民幹部は週明けにも首相に面会し、暫定予算を編成するかどうかの判断を求める。ただ、首相サイドは「参院審議は衆院の八掛けが慣例。衆院59時間なら47時間だ」(周辺)と強気を崩しておらず、参院自民幹部は「力で押せば衆院では通り、参院では瓦解(がかい)する。その違いを分かっていない」といら立ちをにじませている。 
〔写真説明〕日米首脳会談後に記者会見する高市早苗首相=19日、ワシントン