航空会社スターフライヤーと旅行会社JTBは、北九州空港にある同社の格納庫にテントで宿泊できる体験プログラムを発表しました。運行を終えた旅客機を間近で見ながら、キャンプや本格的なサウナを楽しめるユニークな内容です。
格納庫でテントキャンプ
北九州空港を拠点とする航空会社スターフライヤーと旅行会社JTBが2026年3月12日、あまりに異色ともいえる体験プログラム「STARFLYER BASE KITAKYUSHU ~翼のヒミツキチ~」を発表しました。
このプログラムでは、北九州空港にあるスターフライヤーの格納庫内にテントで一晩宿泊するというもので、テントは航空機から数メートルの近距離に設営され、実際に運行している航空機と同じ空間で1晩の特別な体験をすることができるというものです。
本プログラムの一番の特徴は、格納庫内で飛行機と寝泊まりするという単純なものではありません。一晩共にするスターフライヤーの旅客機は、深夜まで旅客業務で飛び続けており、運航終了後に宿泊する格納庫までトーイングカーで運び込まれてきます。そして、翌朝には翌日のフライトのために格納庫から出されて飛び立っていきます(航空機のトーイングは格納庫内の近距離で見学可能)。
参加者は北九州空港という24時間運営の空港の雰囲気と、スターフライヤーの旅客機の運航を肌で体験することができます。
「格納庫は普段関係者以外立ち入れない特別なバックヤードであり、整備士の聖地でもあると考えています。このプログラムでは飛行機の鼓動を感じるかのような、飛行機とのゼロマイルでの静寂など、そういった非日常体験を体感して頂きたいと思っています」(JTB 担当者)。
格納庫で極上のキャンプ体験
航空機や格納庫の雰囲気を楽しむだけでなく、キャンプとしてのホスピタリティも充実しています。
格納庫ディナーと呼ばれる夕食にはケータリング方式で、最高級ランクの20品のメニューが提供され、朝食もサンドイッチBOXとスムージーが用意されています。
航空機マニアや航空機利用者を楽しませるイベントとしては、スターフライヤー社員・整備員によるトークショーが行われ、ここでしか聞けない航空業界や会社の裏話を披露されます。空港スリーレターによるビンゴ大会では、スターフライヤーのグッツの他に、航空機を格納庫から出し入れするときのトーイングカーに同乗できるチケットが当たります。
そして午前1時以降は格納庫内の照明を落とした静寂タイムとなり、ここでは深夜の格納庫内でのスターフライヤーの旅客機を自由に撮影することができ、普段と違った撮影体験ができます。
また、格納庫での宿泊と並んで恐らくは日本初となるのが、格納庫内でのサウナ体験です。
イベント中は格納庫前に専用サウナトレーラーが用意され、23時まで格納庫サウナを自由に楽しむことができます。このサウナトレーラーは専門業者によって運営され、専属のスタッフが常駐。水着やポンチョ、タオルの貸し出しも行われ、水風呂とデッキチェアーも用意されています。一般的な電気式ではなく、本格的な薪ストーブを備えたサウナトレーラーは体の芯まで温めてくれ、夜の滑走路を眺めながらの空港の夜風を吹かれたクールダウンは、ここでしか味わえない“整い”体験ができます。
20周年記念事業で地域を盛り上げる
この異色の体験プログラムは北九州空港開港20周年とスターフライヤー就航20周年を記念した事業として企画されたそうです。
スターフライヤーとしては、本プログラムによる収益よりも、同社のブランドイメージの向上やファンを増やすことに期待しているとのこと。もっともJTB側からスターフライヤー側に企画提案があったときの反応は必ずしも肯定的ではなかったそうです。
「格納庫で寝ていただくという発想はなく、最初は驚いてひっくり返りそうになりました」(スターフライヤー関係者)。しかし、同社の社風として新しいことに挑戦する姿勢が強く、社内には賛同するスタッフが多く「このプロジェクトが実現したら楽しいだろうなと思い、実現のための各種調整をスタートさせました」(スターフライヤー関係者)として、協力体系を確立。格納庫や空港施設は法制度や保全の問題が多くあったそうですが、各種機関と調整を重ね、多くの人々の協力によってこのプログラムは実現できたそうです。
すでに専用サイトで予約受付が始まっており、現時点では4月25日、5月30日、6月20日で1泊2日のプランで募集中。各回は12組まで受け付けており、テントひとつにつき大人最大2名、子供連れの場合は最大3名までが宿泊できます。
料金はテントひとつを1名利用する場合は33万円、おとな2名で共用した場合は1名あたり19万2500円。なお、募集開始数日で一定の予約申し込みがすでに入っているとのことです。