マナー問題が取り沙汰される「撮り鉄」ですが、列車を追うだけが鉄道趣味じゃありません。古レール柱やレトロな看板など、いつもの駅は歴史と技術が詰まった「宝の山」。新たな視点をご紹介します。
駅は“宝探し”のフィールド! 3つの「隠れ見どころ」
昨今、鉄道ファンの撮影マナーが問題になるコトが多々あります。しかし、鉄道の楽しみは、必ずしも疾走する列車を追いかけることだけではありません。毎日利用する駅も、注意深く観察すれば、歴史や技術の物語が潜む「宝探し」のフィールドに変わります。
そもそも、こうした駅に関する写真を撮ったり、情報収集したり、知識を深めたりする愛好者のことを「駅鉄」と言います。対象は建物だけでなく付帯駅設備も含まれます。その代表的なものが、以下の3つでしょう。
・古レール柱
JR浅草橋駅などで見られる、ホームの屋根を支える古いレールの柱です。よく見ると「CARNEGIE」といった海外メーカー名や、官営八幡製鐵所のマークといった「刻印」が残っていることも。一見すると古びた柱にしか思えませんが、日本の近代化を物語る証人です。
・ホーロー駅名標
国鉄時代の雰囲気を残す、深い青地に白抜きの文字が印象的な琺瑯(ホーロー)製の看板です。多くは更新されましたが、JR北海道の一部駅などでは今も現役で、そのレトロな魅力が人気を呼んでいます。
・特殊な分岐器
ターミナル駅など、限られたスペースに複雑な線路を敷設するため、特殊な分岐器が用いられる例があります。技術者の工夫が結晶した線路のポイントで、その複雑な構造に物語が隠れています。
楽しい趣味のために 駅での撮影「3つの鉄則」
こうした魅力的な発見も、安全とルールがあってこそです。駅で撮影を楽しむ際は、以下の「3つの鉄則」を心に留めておきましょう。
【鉄則1】安全の確保が最優先
線路内への立ち入りは、単なるマナー違反ではなく鉄道営業法で禁止された明確な法律違反です。違反した場合は科料が科せられるだけでなく、列車の運行に支障をきたした場合は、威力業務妨害罪などのより重い罪に問われる可能性もあります。ホームでは黄色い点字ブロックの内側で撮影し、運行中の列車へのフラッシュ使用は厳禁です。
【鉄則2】通行の妨げにならない配慮
トラブルの原因になりやすいのが、三脚や脚立の使用です。JR東日本や首都圏の主要私鉄の多くが、駅ホーム上での三脚・脚立類の使用を明確に禁止しています。他の乗客の通行を妨げるだけでなく、転倒による事故のリスクがあるため、ホーム上では絶対に使用しないでください。
【鉄則3】係員の指示は絶対
駅係員や乗務員の指示は、現場の安全を守るためのものです。たとえ自分の考えと異なっても、必ずその指示に従ってください。公共交通機関であっても、駅構内は私有地です。
実際に、一部マニアの迷惑行為が原因で「撮影禁止」に指定された駅もあります。ルールは趣味を未来へつなげるための“土台”のようなもの。危険を冒して列車を狙うだけでなく、駅舎や付帯設備へ視点を変えてみても面白いかもしれません。ひょっとしたら、新たな発見に出会えるでしょう。