「スバル“らしい”SUVが作りたいんだ!」 4WDでも“最大700キロ近く”走れる新型EV 雪道での実力は…?

都市鉱山 なぜ有効活用できず?

スバルがBEV第2弾となる「トレイルシーカー」を日本市場に投入します。このモデルの開発の経緯や狙いについて、雪道での試乗リポートとともに解説していきます。

「スバルらしいBEVを!」の声から生まれた1台

 スバルは2026年春、同社のBEV(バッテリー式電気自動車)第2弾となる「トレイルシーカー」を日本市場に投入します。このモデルの開発の経緯や狙いについて、雪道での試乗リポートとともに解説していきます。

 トレイルシーカーは、スバルのBEV第1弾でありトヨタと共同開発した「ソルテラ」をベースとするモデルです。ソルテラはトヨタから「bZ4X」の名で兄弟車が展開されており、トレイルシーカーにもトヨタにおける兄弟車「bZ4Xツーリング」が存在します。

 ソルテラとbZ4Xは比較的トヨタ色が強いモデルでしたが、トレイルシーカーとbZ4Xツーリングは「クロスオーバーワゴンのようなモデルを作りたい」「BEVのラインナップにもスバルらしい車種を加えたい」という、スバル側の発案で開発されたといいます。

 そんなトレイルシーカーはソルテラより全長が155mm、全高で25mm大きく、荷室容量も452Lから最大633Lへ拡大されています。都市型SUV風味のソルテラに対し、トレイルシーカーは一層アウトドア志向なワゴン型SUVといった雰囲気です。

 さらに駆動用バッテリーやモーターなど、基本メカニズムは最新型のソルテラと共通ですが、リアの駆動用モーターについては最高出力・最大トルクともに強化され、システム合算での最高出力はソルテラの252kWから280kWまで高められています。悪路での走行性能の追求などにおいてもスバルらしさが強調されている一方、WLTCモードでの一充電走行距離は前輪駆動モデルで734km、4WDで690kmを実現しています。

 こうした特徴から、トレイルシーカーに対して販売終了となった「アウトバック」の面影を感じる人もいるでしょう。それもそのはずで、実はトレイルシーカーは欧州市場において「eアウトバック」の名前で販売されることになっています。トレイルシーカーはアウトバック、そして「レガシィツーリングワゴン」の系譜にもつながるモデルだと言えるのです。

圧雪路で素性の良さを実感!

 今回は圧雪路を中心とした雪道での試乗でした。コースは凍った雪の塊なども残るシビアな路面でしたが、同じ日に同じコースで試乗した現行型フォレスターに比べ、乗り心地は格段に上質な印象。振動の伝わり方もソフトで、悪路でも快適性が高いと感じました。

 またトレイルシーカーは車両重量が2トンを超えるヘビー級のクルマですが、滑りやすい路面を走行していても「重さで車体が流されてしまう」感覚は小さく抑えられていました。滑り出してからの車体の姿勢変化も穏やかで、改めてスバルの4WDシステムの優秀さを実感しました。

 このような運転していて安心できる操縦性は、クルマとしての基本性能がよく磨かれているからこそ実現できるものでしょう。アクセルの反応もBEV特有の過敏さがなく、ドライバーの意志を忠実に反映してくれます。コントロール自在な運転フィールがあり、良い意味で“BEVらしくない”と感じました。

 ちなみに、ソルテラとbZ4Xの日本仕様はトヨタの元町工場(愛知県)で生産されていますが、トレイルシーカーとbZ4Xツーリングはスバルの矢島工場(群馬県)が生産を担当します。筆者(西川昇吾:モータージャーナリスト)は今回の試乗を通じ、トレイルシーカーから「スバルらしいBEVとはこういうクルマだ!」というメッセージを強く感じました。