「PFAS」か、泡発生に不安=米側が基地調査拒否、究明に壁―沖縄

海と陸 日本にある2つの鉱山とは

 沖縄県内で米軍基地周辺のマンホールから泡の発生が相次ぎ、住民に不安が広がっている。市民団体は、健康被害が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」漏出の可能性があると基地への立ち入り調査を求めるが、米軍側が応じないため、原因究明は進んでいない。
 米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)近くで1月、基地と周辺民家の排水が流れ込む下水道マンホールから白い泡が吹き出した。目撃者によると、泡は膝くらいの高さまで盛り上がり、道路の傾斜に沿って流れていたという。周辺では2月末、別のマンホールからも泡が確認されている。
 市民団体が1月に発生した泡を採取し、京都府立大の原田浩二教授に分析を依頼したところ、国が定める指針値(1リットル当たり50ナノグラム)の5倍を超える268ナノグラムのPFASが検出された。
 一方、宜野湾市と米軍は同月、泡発生場所の下水を調査をしたが、指針値を超えるPFASは検出されなかったと説明。米軍は、PFASを含む消火剤は現在、使用していないとも主張した。
 市民団体が基地からの漏出を疑うのは、過去に同様の事例があるからだ。2020年4月、同飛行場から流れ出した白い泡が付近の川に舞い、これを調査した米軍は、PFASを含む泡消火剤の漏出を認めた。
 国際的にPFASを問題視する声が高まったことを受け、県は16年以降、河川や地下水などの水質調査を続けている。基地周辺で高濃度のPFASがたびたび検出されるため、基地内での調査実施を求めるが、米軍側は「施設からの汚染を示す根拠はない」と協力を拒否している。
 25年10月には周辺住民らが県公害調停審査会に基地立ち入りを申し立てたが、防衛施設は調停対象でないと棄却された。
 今年1月、泡を実際に目撃したという宜野湾市に住む与那城千恵美さん(53)は「これまでと同じようにPFASじゃないかと思った」という。「子どもたちが誤って触れてしまわないか不安を感じている」と話した。 
〔写真説明〕マンホールから発生した泡=1月29日、沖縄県宜野湾市(与那城千恵美さん提供)