イラン、「体制盤石」誇示に腐心=新指導者下で引き締め強化―モジタバ師選出1週間

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 【イスタンブール時事】イランの新最高指導者にモジタバ・ハメネイ師(56)が選出されて15日で1週間。新たな指導部にとって、苛烈なイラン攻撃を続ける米イスラエルに対抗し、国内の混乱を抑え込むことはイスラム革命体制の存続に不可欠だ。体制への不満や指導者世襲への批判を封じ込めつつ、体制の「盤石な基盤」を誇示し、戦闘の「勝利」に向けた引き締めに腐心しているとみられる。
 ◇降伏拒否
 初代最高指導者ホメイニ師が定めた「国際コッズ(エルサレム)の日」の13日、空爆下の首都テヘランでは、ペゼシュキアン大統領ら政府高官らが危険を顧みずに街頭に集結。国営メディアは、市民がモジタバ師の写真を掲げ、米イスラエルへの抵抗を促す様子を大々的に伝えた。
 8日にモジタバ師を新指導者に決めた「専門家会議」は、声明で「選出作業を一瞬もためらわなかった」と強調。選出に手間取れば体制の弱体化や国内の動揺を内外に印象付けかねないだけに、米イスラエルが3日に選出妨害を目的に専門家会議施設を攻撃したことの影響も軽微だったと主張した。
 モジタバ師は12日に公表された就任後初の声明で、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖継続を訴え、国際社会との対立をいとわない姿勢を鮮明にした。トランプ米政権が要求する無条件降伏を拒み、「殉教者の復讐(ふくしゅう)」として戦闘継続も宣言した。
 強硬な声明には、最高指導者直轄の部隊として体制を支え、モジタバ師との関係が近い精鋭軍事組織「革命防衛隊」の意向が色濃く反映されている。同師に忠誠を誓った革命防衛隊は連日、米イスラエルへの報復攻撃の「戦果」を主張し、交戦長期化を辞さない構えだ。イスラエルのネタニヤフ首相は同師を「革命防衛隊の手先だ」と批判するものの、対立の激化がかえってイランの反米保守強硬派の結束を強めている側面もある。
 ◇力増す精鋭部隊
 米イスラエルは当初、軍事攻撃でイランの体制を弱らせ、イラン市民の蜂起を促す青写真を描いた。ただ、市民には1月に治安当局が反体制デモを徹底弾圧した記憶が残る。英BBC放送は、モジタバ師選出を受けて「体制内にはわずかな変化の可能性すらない」と反発するテヘラン市民の声を報道。それでも、攻撃下では再びデモを行う余裕はないのが実情だ。
 前最高指導者ハメネイ師の死亡後も、治安組織内で離反や亀裂の動きは伝えられなかった。モジタバ師就任により、徹底抗戦を掲げる革命防衛隊の影響力がさらに増したとみられ、戦闘終結への道筋は一段と不透明になっている。 
〔写真説明〕イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師=2024年10月、テヘラン(AFP時事)