日立建機がマザー工場と位置付ける土浦工場を取材しました。現在、同工場では大規模な再編が進められています。2027年の新ブランド「ランドクロス」への大転換を前に、ロボット化で進化する巨大工場の最前線を見てきました。
東京ドーム10個超! 国内最大の「マザー工場」に行ってきた!
日立建機は、このたび茨城県土浦市にある土浦工場で報道関係者向けの視察会を開き、油圧ショベルの製造現場を公開しました。同社は現在、生産体制の再編を実施中で、土浦工場については主力製品である中型油圧ショベルの生産機能を強化しています。再編は2031年に完了する予定で、国内6工場の再編計画の最終段階に位置付けられています。
土浦工場は1966年に操業を開始した日立建機の中核拠点です。敷地面積は約49万4000平方メートル(東京ドーム約10.5個分)で、国内6工場の中で最大規模を誇ります。生産技術や製造方式の基準を確立する「マザー工場」として位置付けられており、ここで確立した技術や生産方式が国内外の拠点へ展開されています。
視察では油圧ショベルの組み立てを行う混流生産ラインが公開されました。ラインでは10トン、20トン、30トンといった中型クラスの油圧ショベルが組み立てられており、視察時はちょうど35トンクラスと12トンクラスの機体が同時に流れていました。
説明によると15モデル、約160タイプを混合生産できるそうで、サイズや仕様の異なる機体を同一ラインで生産することで、需要の変動に柔軟に対応できる体制を構築しているといいます。
日立建機は、土浦工場の中型ショベル生産体制の再編を構造改革の最終フェーズと位置付けています。1966年の操業開始以来となる抜本的な再編で、製品をクラスや機能別に集約し、生産効率の向上を図ります。
ロボット化で劇的進化! 新生「ランドクロス」へのカウントダウン
従来、土浦工場では中型ショベルに加え大型ショベルも生産していましたが、大型機の生産は常陸那珂臨港工場(茨城県ひたちなか市)へ移管しました。同工場では超大型油圧ショベルや超大型ホイールローダ、ダンプトラックなどを生産しており、機種ごとに生産拠点を分担することで体制の最適化を進めています。これにより土浦工場は中型油圧ショベルの生産にリソースを集中させます。
再編では生産工程の自動化も進められています。製缶(溶接)工程ではロボットによる自動化を拡大し、トラックフレームのロボット適用率は2025年時点で69%から86%へ向上しました(溶接ワイヤーの溶かす量で計測)。塗装工程でもロボット化が進み、塗料使用量は従来比で約54%削減されたといいます。
同社によると、こうした再編により自動化率や安全性が向上するほか、生産能力の向上やコスト競争力の強化にもつながるとしています。製缶工程の再編は2025年度に完了しており、塗装と物流は2029年度、組み立て工程は2031年度に完了する予定です。
土浦工場の再編が完了すれば、日立建機が進めてきた国内6工場すべての再編が完了します。同社は中型ショベルの生産拠点として同工場の機能を強化し、世界市場への供給体制の強化を図る方針です。
日立建機は2027年4月、商号を「ランドクロス株式会社」に変更し、コーポレートブランドも「LANDCROS」へ変更する予定です。一連の生産拠点の再編は、こうした大転換を前にした動きともいえるでしょう。
ちなみに、量産車でLANDCROSのロゴを描いた車体は工場内で見ることはありませんでしたが、説明によると現在、ロゴの位置決めなどをしている最中であり、来月4月以降、体制変更を機に順次改めていくとのことでした。
ショベルを組み立てているところ(乗りものニュース編集部撮影)。