【ワシントン時事】トランプ米大統領は9日、対イラン軍事作戦の早期終結の見通しを示した。一方で、イランに対する攻撃を激化することも示唆しており、終結に向けた道筋は不透明なままだ。戦闘長期化への国際金融市場の懸念を和らげる効果はあったものの、トランプ氏の発言には矛盾がある。
「(対イラン軍事作戦は)ほぼ終わった」。CBSテレビがトランプ氏の発言を伝えると、低迷していた米株式相場は急騰。対照的に、イランへの攻撃開始後、高騰してきた原油先物相場は下落した。
トランプ氏はその後の記者会見で何度も原油価格に言及した。11月に中間選挙が控える中、インフレ再燃を警戒しているもようだ。また、今月末の訪中を見据え、原油輸入の大半を中東地域に依存する中国に配慮している可能性もある。
しかし、トランプ氏は週内に戦争が終わるか問われると、「ない」と即答。さらに、SNSで「もしイランが(原油輸送の要衝)ホルムズ海峡で石油の流通を妨げる行為に出た場合、これまでの20倍の力で報復する」と宣言するなど、好戦的な警告も繰り返した。
米国防総省は9日、SNSに「われわれの戦いは始まったばかりだ」と投稿。米軍と歩調を合わせるイスラエル軍も、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する攻撃を続行している。
ロイター通信によると、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」の報道官はトランプ氏の発言を受け、「われわれが戦争終結を決める」と強調。米イスラエル両軍の攻撃が続けば「1リットルの石油もこの地域から輸出させない」と反発している。
〔写真説明〕9日、米南部フロリダ州で記者会見するトランプ大統領(AFP時事)