高市首相「安全運転」を徹底=初の集中審議、与党は強気―衆院予算委員会

人類が月面に再び立つ日も近い?

 衆院予算委員会は9日、2026年度予算案を巡り、高市早苗首相が出席した初の集中審議を行った。首相は安全運転の答弁に徹し、野党に付け入る隙を与えなかった。「充実審議」を訴える野党に対し、政府・与党は強気の姿勢を崩しておらず、13日の衆院通過を目指す。
 「現時点で一概に答えることは困難だ」。イラン情勢を巡り、首相はホルムズ海峡が封鎖された場合に集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当するかどうかについて明言を避けた。手元の答弁資料を確認しながら慎重に答えた。
 質問した中道改革連合の小川淳也代表も迫力を欠いた。「そういう答弁を期待していた」と応じ、首相に「二の矢」を放つことはなかった。質疑後も「慎重な答弁をしたことはむしろ多としたい」と語った。
 昨年11月の衆院予算委では立憲民主党の岡田克也元外相が台湾有事を巡る質問を繰り返し首相にぶつけ、「存立危機事態になり得る」との答弁を引き出した。政府側が用意した応答要領になかった発言で、中国の反発を招く結果となった。首相はこの「反省」も踏まえ、今回はアドリブ答弁を封印しているとみられる。
 与党も守りを固めた。小川氏が首相に、米側から自衛隊への協力要請があったかをただすと、坂本哲志委員長(自民党)は茂木敏充外相を答弁者に指名。日本維新の会の質疑者の梅村聡氏は冒頭で「厚生労働相と財務相に質問する。首相は席を外してもらって結構だ」と宣言し、首相に配慮を示した。
 集中審議は4時間行われ、衆院の予算審議時間は計46時間となった。坂本委員長は9日、一般質疑を11日に行うことを職権で決めた。与党は13日までの審議時間を計58時間と見込み、同日中に採決する方針。例年70~80時間が相場とされるが、与党は月内成立を期すため、16日から参院での審議に入りたい考えだ。
 小川氏は「首相の(予算委)出席は例年の半分以下」と指摘し、さらなる集中審議の開催を求めたが、与党は慎重だ。昨年の通常国会の衆院予算委では5回の集中審議を行ったが、自民幹部は「昨年は少数与党だったから野党の要求をのまざるを得なかった」と語った。巨大与党として臨む今国会は「数の力」で押し切る構えだ。
 ただ、与党は参院では過半数に届いていない。立民の水岡俊一代表は9日の記者会見で「すぐに予算委が始められるとは考えていない」とけん制。国民民主党の川合孝典参院幹事長も会見で「中身がいいから何をしてもいいということでもない」と述べた。 
〔写真説明〕衆院予算委員会で答弁する高市早苗首相(中央)。左端は中道改革連合の小川淳也代表=9日午後、国会内
〔写真説明〕衆院予算委員会での質疑後、取材に応じる中道改革連合の小川淳也代表=9日午後、国会内
〔写真説明〕衆院予算委員会を終えた高市早苗首相(中央)=9日午後、国会内