父親譲りの反米急先鋒=対決激化は不可避―イラン新指導者モジタバ師

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 【イスタンブール時事】イランの第3代最高指導者に選ばれたモジタバ・ハメネイ師(56)は、第2代指導者の父親アリ・ハメネイ師の存命中から後継候補の一人として取り沙汰されていた。今回の交戦で両親や妻を殺害され、米イスラエルへの敵意は強い。反欧米の急先鋒(せんぽう)だった父親譲りの保守強硬路線を推進し、対決姿勢を強めそうだ。
 1969年、イラン北東部マシャド生まれ。神学を学び、イスラム教シーア派聖地の中部コムなどで宗教指導者として活動した。80年代のイラン・イラク戦争では10代ながら従軍。当時の戦友たちが後に精鋭軍事組織「革命防衛隊」や治安・情報機関の要職に就いたとされ、今でも革命防衛隊や同傘下の民兵組織バシジとのつながりが深いといわれる。
 一方、シーア派のイスラム聖職者としては宗教的に中位とみられ、最高指導者の要件として求められる模範性や高度なイスラム法学知識などを兼ね備えているかは不明だ。ただ、イランメディアは、既にモジタバ師を高位法学者「アヤトラ」の呼称を付けて報じており、政治面だけでなく宗教的な権威も高めたい思惑がうかがえる。
 これまで公職経験はないものの、父親の最側近として最高指導者事務所の実務を長年支えた「陰の実力者」と目される。第1次トランプ米政権下の2020年に米軍の空爆で死亡した革命防衛隊のソレイマニ司令官や、24年にイスラエル軍が殺害したレバノンのシーア派組織ヒズボラのナスララ前最高指導者らとも親交を深めた。
 09年の大統領選で選挙の不正を訴える抗議デモが各地で拡大すると、多数が死亡したデモ鎮圧を水面下で指揮したとされる。今後は強権統治で治安組織を掌握し、反体制勢力も抑え込むとみられるが、体制存亡の機を迎える中、米CNNテレビは「統治よりも生き残りに注力する」と見込む専門家の見方を伝えている。 
〔写真説明〕イランの第3代最高指導者に選ばれたモジタバ・ハメネイ師=2024年10月、テヘラン(最高指導者事務所提供)(AFP時事)