閣僚更迭、トランプ政権に打撃=看板の移民政策担当、中間選挙に影―米

人類が月面に再び立つ日も近い?

 【ワシントン時事】トランプ米大統領が5日、不法移民対策を担ってきたノーム国土安全保障長官の更迭を明らかにした。政権の看板である関税措置を最高裁に否定されたのに続いて、主要政策に傷が付いた形だ。11月の中間選挙に影を落としかねず、政権への打撃は避けられない。
 きっかけはノーム氏が2億2000万ドル(約346億円)を投じて制作した、自身がカウボーイハットをかぶり馬に乗って登場する不法移民対策の広告だ。与野党から不評を買った上に、報道によると、トランプ氏も「自己宣伝だ」と不満を表明。さらに米議会の公聴会で、広告についてトランプ氏の承認を得たと勝手に説明したことにいら立ちを募らせたとされ、一連の言動が更迭の引き金になったとみられる。
 トランプ氏は2期目の就任初日に、大規模な不法移民対策を断行すると宣言。ノーム氏は移民税関捜査局(ICE)による移民摘発などを主導し、年間100万人を強制送還する目標に向け、強硬な姿勢で取り組みを推進してきた。
 しかし、中西部ミネソタ州でICE捜査官らに米市民2人が相次ぎ射殺された事件が転機となった。この事件で移民摘発は「行き過ぎだ」との批判が拡大し、議会では国土安保省の予算案が成立せず政府機関の一部閉鎖に発展。ノーム氏と側近との不適切な関係が報じられたことも重なり、与野党双方から辞任を求める声が上がっていた。
 トランプ氏が2期目で初の閣僚更迭に踏み切ったのは、中間選挙の予備選が本格化する中、批判の幕引きを図りたいとの思惑もあるようだ。ただ、移民摘発は「米国第一」を象徴する政策のため、大幅な路線修正は支持離れのリスクをはらみ、後任に起用されるマレン上院議員は難しいかじ取りを迫られる。
 政権への審判と位置付けられる中間選挙では、移民政策も主要争点になる見通し。トランプ氏は最高裁から違憲と判断された関税政策や、自身の熱狂的支持層「MAGA(マガ)」の一部から異論が出るイラン攻撃への対応にも直面している。 
〔写真説明〕ノーム米国土安全保障長官=3日、ワシントン(AFP時事)