【ワシントン、カイロ時事】米イスラエル両軍が対イラン軍事作戦を始めてから7日で1週間。イランが米軍基地のある湾岸諸国への報復攻撃に乗り出したことで、戦火は中東広域に拡大した。原油価格は急騰し、世界経済への打撃が懸念されている。作戦が長期化する恐れもあり、予断を許さない情勢だ。
米イスラエル両軍は2月28日に首都テヘランなどを空爆し、イラン最高指導者ハメネイ師を殺害した。両軍はその後も攻勢を続けており、イスラエル軍のザミール参謀総長は、「イラン上空の制空権をほぼ掌握した」と語った。
米軍で中東地域を管轄する中央軍のクーパー司令官は今月5日、開戦当初に比べてイランの弾道ミサイルによる攻撃が約9割、無人機の攻撃も約8割減少したと明らかにした。また、イラン海軍も大きな打撃を受けたと説明した。
一方、イランはイスラエル本土や湾岸諸国の米大使館に対する報復攻撃に加え、国際空港やエネルギー施設なども標的とした。これを受け、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイなどの主要ハブ空港が一時閉鎖され、各地で混乱が広がった。日本を含む各国は自国民の退避に苦慮している。
また、世界の原油輸送の要衝ホルムズ海峡も事実上封鎖された。供給不安が広がり、米国産標準油種WTIは5日に1バレル=81ドル台に乗せ、2024年7月以来約1年8カ月ぶりの高値を付けた。
報道によれば、テヘランでは5日夜から6日朝にかけて大きな爆発音が何度も聞こえた。サウジアラビアやカタール、イスラエルなどはイランから飛来した無人機やミサイルを迎撃した。6日時点でイランでは少なくとも1332人が死亡。イラクやクウェート、UAEなどでも死者が出ている。米兵6人も死亡した。イスラエルは民間人10人の死亡を公表している。
これまでに外交的解決に向けた表向きの動きは見られず、停戦の見通しは立っていない。イランでは次期指導者の選出が当面の焦点となる。トランプ氏は5日、ロイター通信のインタビューで「われわれはイランとともにその人物(最高指導者)を選ばなければならない」と主張し、イランの次期最高指導者の選出に米国を関与させるよう要求した。
〔写真説明〕6日、イランの首都テヘラン中心部で空爆後に上がる煙(EPA時事)
〔写真説明〕アラブ首長国連邦(UAE)沖のホルムズ海峡を通過する船舶=2月25日(AFP時事)