中国、イラン支援へ動かず=「経済で影響力」限界露呈―友好国から疑念も

人類が月面に再び立つ日も近い?

 【北京時事】米イスラエル両軍によるイラン攻撃を巡り、中国は友好国イランへの直接的な支援に動いていない。トランプ米大統領の訪中を月末に控え、対米関係の悪化を避けたい事情がある上、中東情勢で中国にできることは少ないからだ。習近平政権は主に貿易・投資面で中東との関係を深めてきたが、米軍の圧倒的な戦力を前に、経済による影響力拡大の限界を露呈している。
 「複雑な情勢下、イランが国家と社会の安定を保つと信じている」。王毅共産党政治局員兼外相は2日、イランのアラグチ外相と電話会談し、こう告げた。イランへの「支持」を表明しつつも、中国側発表では対米批判を避け、イランの自助努力を促した。
 イランは巨大経済圏構想「一帯一路」の要衝に位置し、習政権は「対米共闘」の観点からも結び付きを重視してきた。中国はイラン産原油の9割を買い支えてきたほか、合同軍事演習を定期的に実施。経済・安全保障両面で連携を深めてきた。しかし、今回の攻撃当初、中国外務省は報道官談話で「懸念」を示しただけで、その後もイランへの力強い連帯姿勢を見せていない。
 同国最高指導者ハメネイ師が殺害されると、ロシアのプーチン大統領は即座に哀悼の意を表したが、習国家主席は4日まで何のメッセージも公表していない。ハメネイ師殺害によって、1月のマドゥロ・ベネズエラ大統領拘束に続き、中国が友好関係を結ぶ資源供給国の指導者が米軍に相次ぎ排除された形となった。
 ただ、中国が軍事的に介入することは不可能だ。中東に多数の基地を有する米国に比べ、中国軍の海外拠点はアフリカ東部ジブチだけだ。
 また、習氏の念頭には、今月末に予定されているトランプ氏の訪中がある。経済低迷や軍幹部粛清に伴う混乱が続く中、対米関係を何としても安定させ、国力の消耗を最小限に抑えることが当面の最大の課題だ。
 一方で、中国の消極的な動向は国際社会や友好国の不信を招くとの指摘が出ている。シンガポール紙・聯合早報は「中国の地域的影響力に対する疑念が生じる可能性がある」との専門家の見方を掲載。「中国は攻撃を防げず、それ以前の協議でも有力な役割を果たせなかった」と指摘した。 
〔写真説明〕中国の習近平国家主席=2月25日、北京(AFP時事)