対米穏健派との連携模索か=イランで「ベネズエラ」再現も―トランプ氏

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 【ワシントン時事】トランプ米大統領が、対イラン軍事作戦後、より穏健なイラン指導者との連携を探る構えを強めている。南米ベネズエラのマドゥロ大統領拘束後に誕生した暫定政権と協力関係を築いた「成功体験」の再現を狙っているとみられるが、実現の見通しは立っていない。
 トランプ氏は3日、軍事作戦で死亡したイラン最高指導者ハメネイ師の後継者について記者団から問われ、「体制内の人物が適任だろう」と語った。「より穏健な人々もいる」とも述べ、反体制派ではなく現政権とつながりを持つ人物が望ましいとの認識を示した形だ。
 米イスラエル両軍は2月28日、ハメネイ師を空爆で殺害。作戦開始直後の「斬首作戦」は、1月にマドゥロ氏を拘束したベネズエラ急襲をほうふつとさせた。トランプ氏は拘束作戦を「攻撃はしたが、(ベネズエラ)政府は無傷で維持した」と自賛し、体制の動揺を招かなかったと強調する。
 急襲後、マドゥロ氏側近で副大統領だったロドリゲス氏が暫定大統領に就任。反米左派政権の中枢にいたにもかかわらず、トランプ政権はロドリゲス氏と協調し、統治の安定と石油利権の確保につなげた。トランプ氏の発言からは、ベネズエラで実現した円滑な「指導者交代」をイランでも実現したいとの思惑がにじむ。
 しかし、ベネズエラとイランの状況は大きく異なる。米国の「裏庭」と呼ばれる中南米に位置する産油国ベネズエラに対し、トランプ政権は圧倒的な戦力を背景に制海権を掌握。石油タンカーの拿捕(だほ)や禁輸措置を徹底し、マドゥロ氏拘束後も締め付けを継続することで協力の「強要」を可能とした。
 一方、イランとは地理的に遠く、米軍が中東地域で長期間にわたり戦力を維持し、圧力を続けるのは困難だ。度重なる攻撃で「(後継者として)想定していた大半の人々が死亡した」(トランプ氏)ことも、イランの体制維持に影響を及ぼしかねない。
 米側の意向に沿う人物が指導者に就き、思惑通りに協力姿勢を示すかは不透明だ。トランプ氏は、ハメネイ師と同様に対米強硬路線を掲げる人物が後継者になることは「最悪のケースだ」と警戒感を強めている。 
〔写真説明〕トランプ米大統領=3日、ワシントン(AFP時事)