第487話 ロケット・衛星・月探査…次世代インフラ担う宇宙スタートアップに注目

人工衛星打ち上げ 世界的に増加

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、公園で散歩をしながら投資談義を行っています。


神様:2026年は”スポーツが盛り上がる年”ですが、もうひとつ「宇宙開発」も盛り上がる1年となりそうです。

T:21世紀は宇宙の世紀と呼ばれるほど宇宙産業の成長が著しいですね。月面探査計画も進んでいます。

神様:おっしゃる通りです。米国を中心に進められている有人月探査プロジェクト「アルテミス計画」が、今新しい段階を迎えています。米航空宇宙局(NASA)は現在、有人の月周回探査計画である「アルテミス2」を進めており、今年の4月以降で打ち上げを行う予定です。

T:アルテミス計画は日本を始め多くの国が共同で開発しています。人類が再び月面に立つ日がもうすぐやって来るのでしょうか。

神様:最近は中国の月探査関連の開発が目覚ましい進展を見せています。中国は2030年までに中国人宇宙飛行士を月面に着陸させる計画を立てており、2035年までに月面基地を建設する計画です。米中による月面着陸競争が激化しています。米国は昨年、月面への原子炉の設置について、2029年に前倒しすることを発表しています。

T:2035年までもう10年もありません。今後さらに開発競争が激化していくのでしょうね。今後の動向に注目します。

神様:宇宙開発は米中だけでなく世界中で活発に行われています。経済産業省によれば、世界の宇宙市場の規模は2023年に6,300億ドル(推定)でしたが、2035年には1兆7,900億ドルに達すると予測されています。年平均成長率(CAGR)は9%です。これは、半導体産業の成長率(6~8%)よりも高いです。かつてはロケット打ち上げ能力を持つ伝統的な宇宙先進国のみで行われていた宇宙開発ですが、現在は英国・オーストラリア・韓国などの先進国やUAE・サウジアラビアなどの中東地域でも積極的に取り組まれています。プレイヤーも変化しているのです。

T:宇宙開発のプレイヤーと言えば、「官から民へ」と開発の中心が移りつつありますよね。これからは民間の活躍が期待されますね。

神様:民間事業と最も親和性が高いのが人工衛星です。人工衛星は気象衛星のほか、通信、測位、防衛など様々な用途で活用され、日常生活を利便性向上から国家の安全保障まで幅広く関わっています。世界の人工衛星打ち上げ数の推移を見ると、2020年以降で急増していることがわかります。

T:人工衛星の打ち上げでも米国が圧倒的に多いですね。日本企業も大いに活躍してほしいところです。

神様:日本の状況も大きく変化していますよ。近年は約100社の宇宙スタートアップ企業が設立され、従業員の増加率は約30%と、他産業が10%から15%程度の中で断トツの1位を獲得しているのです。

T:そうなのですか。知りませんでした。宇宙スタートアップ企業が盛り上がっている理由は何でしょうか?

神様:宇宙は次世代の国家インフラです。宇宙を他国に依存し続けることは安全保障上も深刻なリスクを招く可能性があります。そのため、2016年以降現在まで政府による法整備が進められました。手厚い支援も続いています。内閣府によれば、2026年度の宇宙関係予算は1兆446億円と前年度から約11.5%の増加です。スタートアップ企業の中で証券取引所に上場する企業も増えています

T:スタートアップ企業の数がさらに増え、その中から次世代の大企業が生まれるのでしょうか?今後が楽しみですね。

神様:2024年には宇宙戦略基金が設置され、ロケットなどの輸送、人工衛星、そして探査の分野において、民間企業による技術開発が進められています。Tさんがおっしゃるように、今後大きく成長する企業が現れることを期待したいですね。

(この項終わり。次回3/11掲載予定)

提供:いちよし証券
「兜のささやき」全話はこちら
○当記事は各種の信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保障するものではありません。
また、今後予告なく変更される場合があります。

商号等/いちよし証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第24号
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会