戻った東北で活躍を誓う。プロ野球楽天の今野龍太投手(30)は宮城県大崎市出身。ヤクルトから6年ぶりに古巣に復帰した昨季、42試合に登板してブルペンの一角を担った。ファンから「お帰り」と歓迎され、「見に来やすいし、近くにいてどんどん声を掛けてもらえている。うれしい」と実感を込めて話す。
楽天が初のリーグ優勝と日本一を果たした2013年のドラフト会議で9位指名を受け、県立の岩出山高から入団。けがもあって成績が振るわず19年に戦力外通告を受けたが、2球団目のヤクルトで台頭。セ・リーグ連覇に貢献するなど得がたい経験を積み、楽天から再び声を掛けられた。
入団会見で「成長した姿をお見せできれば」と意気込んでいた今野投手。高卒でプロ入りした当時とは年齢も立場も変わり、「結果を出さないと今後はないし、後輩に負けてもいられない。成績を残さないとな、という気持ちで去年1年プレーした」と振り返った。
自身も被災した東日本大震災の発生から15年。中学の卒業パーティー中に大きな揺れに襲われ、会場の天井が落ちてきた光景は強く記憶に残っている。「あっという間だった」。県内の沿岸部は津波による被害も深刻で、「経験したことがなかったし、そうなるとも思っていなかった」。心の痛みは今も思い出せる。
だからこそ、プロ野球で東北に本拠地を置く唯一の球団でプレーする意義を感じている。「東北や宮城の人たちに勇気を与え、その中からプロ野球選手になってくれる子がいれば盛り上がるし、自分もうれしい。後援会をつくってもらったので1年でも長く、というのもある」。懸命に腕を振る姿は、必ず地元の励みになる。
〔写真説明〕ブルペンで投球練習する楽天の今野=2月8日、沖縄県金武町