【ワシントン時事】トランプ米政権が対イラン軍事作戦の目標を巡って、当初掲げていた「体制転換」から軌道修正を図っている。実現へのハードルの高さに加えて、戦闘は長期化の様相を示し、海外への軍事介入を忌避するトランプ大統領の支持基盤に配慮した可能性もある。
トランプ氏は2日、ホワイトハウスでの会合で軍事作戦に言及し、イランの(1)ミサイル能力の破壊(2)海軍の壊滅(3)核兵器保有の阻止(4)親イラン勢力への支援遮断―の四つの目標を改めて強調した。ただ、「体制転換」には触れなかった。
米イスラエル両軍が2月28日にイランへの攻撃を開始した直後、トランプ氏はビデオ声明で「行動を起こすときだ」とイラン国民に蜂起を呼び掛けた。第1波の攻撃で同国最高指導者ハメネイ師を殺害。軍事行動の狙いがイランの体制転換にあるとの受け止めが内外で広がった。
しかし空爆で体制転換を成し遂げるのは非現実的との見方は多い。米軍の作戦で英国内の基地使用を認めたスターマー首相は、体制転換について「実行可能な裏付け」がないとの立場だ。さらにトランプ氏の岩盤支持層「MAGA(マガ)」は外国への軍事介入を不満に思っており、イラン攻撃を巡っても賛否が割れている。
ルビオ国務長官も2日、記者団に対し「イラン国民が政権を打倒することを望んでいるが、今回の任務の目的は弾道ミサイル能力と海軍力の破壊だ」と説明。軍事作戦の目標に体制転換が含まれていないと明確にした。
トランプ氏は同日の会合で、軍事作戦の実行期間は当初「4~5週間」を想定していたが、さらに長期にわたって継戦できる能力があると主張した。将来のイランへの地上部隊派遣を選択肢として排除しておらず、目標が判然としない中で「出口戦略」は見えてこない。
〔写真説明〕対イラン軍事作戦を見守るトランプ米大統領=1日、ホワイトハウス提供(AFP時事)