国民民主党の玉木雄一郎代表は25日の衆院代表質問で、衆院選後初めて高市早苗首相との国会論戦に臨んだ。昨年末は所得税の課税最低ライン「年収の壁」引き上げなど独自政策を「丸のみ」させ、存在感を示した。だが、巨大与党の誕生で状況が一変。埋没への焦りがにじむ。
「所得税のみならず住民税の控除額もインフレに連動して引き上げなければ国民の手取りは増えない」。玉木氏は衆院選公約に盛り込んだ住民税控除額の178万円までの引き上げによる手取り増を首相に迫った。
首相は地方財政への影響なども踏まえ「検討していく」と述べるにとどめ、明確な方向性は示さなかった。玉木氏が主張する「教育国債」発行についても「引き続き前向きに検討していく」と従来の答弁を繰り返した。
玉木氏は、首相が意欲を示す2年間の食料品の消費税率ゼロについて「10%、8%、0%と三つの複数税率で複雑化する」「2年後に税率を戻せるのか」など10の問題点を挙げ、政権との差別化を図ろうとした。
首相は「実施に向けて検討すべき諸課題は超党派で行う国民会議で結論を得る。参加をお待ちしている」と述べ、玉木氏の疑問に正面から応じなかった。この後、玉木氏は記者団に「明確な答えがなかったことは極めて残念だ」と語った。
昨年10月に少数与党として発足した高市政権は予算案や法案の成立に向け、国民民主の取り込みに力を入れていた。衆院選圧勝を受け、国民民主の「利用価値」は下がり、首相の姿勢が強気に転じたとみられる。
国民民主は独自政策を与党に受け入れさせ、支持を集めるのが基本戦略だった。衆院選では公示前の27議席から28議席と伸び悩み、巨大与党が主導する国会で影響力を行使するのは難しくなった。党幹部は「高市政権と政策の方向性は同じなので、差別化しないと忘れ去られる」と述べ、独自色発揮に努める考えを示した。
〔写真説明〕衆院本会議で代表質問を行う国民民主党の玉木雄一郎代表(手前)。奥は高市早苗首相=25日午後、国会内