和平交渉、領土問題で難航=米圧力、ウクライナに「不満」―侵攻4年

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 【ワシントン時事】米国が仲介するウクライナ和平交渉は、ロシアへのウクライナ領割譲を巡り、駆け引きが続いている。トランプ米大統領はロシアのプーチン大統領との関係を優先し、ウクライナのゼレンスキー大統領に譲歩を迫るが、和平実現への道筋は見通せないままだ。
 「米側はたびたび譲歩の話題に立ち返るが、ロシアではなくウクライナの文脈で語られることがあまりに多い」。ゼレンスキー氏は14日、ミュンヘン安全保障会議で欧州指導者らを前に演説し、米政権への不満をあらわにした。
 背景には、対ロ圧力を強めない米政権の姿勢がある。米ロにウクライナを加えた3カ国協議では、プーチン氏が求めてきたウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)全域からの軍撤退などが議題に上がっており、ウクライナ側が受け入れを迫られている構図だ。
 トランプ氏は昨年1月の2期目就任後、軍事支援の一時停止などでウクライナへの停戦圧力を強める一方、ロシアとの接近を図った。同8月には米アラスカ州にプーチン氏を招き、約6年ぶりに対面。首脳間の蜜月ぶりを演出した。
 停戦に応じないプーチン氏にいら立ちを強め、石油大手2社を狙った追加制裁を発動したこともあったが、バイデン前政権が構築したロシア包囲網は緩みつつあるのが実情だ。
 一方、ロシア側には経済協力をてこに交渉を有利に進める思惑がある。協議を主導する米国のウィトコフ中東担当特使に対し、米金融大手ゴールドマン・サックス出身で英語に堪能なドミトリエフ大統領特別代表を窓口役に据え、米企業による対ロ投資再開への算段を描く。
 ドミトリエフ氏は18日、X(旧ツイッター)で、対ロ制裁が「米企業に3000億ドル(約46兆円)以上の損失を与えた」と主張。「14兆ドル(約2170兆円)を超える可能性がある」と米ロ経済協力の規模を大げさに見積もってみせ、米側に秋波を送った。
 「ロシアは合意を望んでいる。ゼレンスキーは行動すべきだ」。トランプ氏は16日、スイス・ジュネーブで17、18両日開かれた3カ国協議を前に、ウクライナに歩み寄りを促した。だが、協議は目立った進展がないまま終わり、前進への糸口は見つかっていない。 
〔写真説明〕(左から)ウクライナのゼレンスキー大統領、トランプ米大統領、ロシアのプーチン大統領(AFP時事)