エプスタイン事件、英王室揺るがす=元王子逮捕、社会に衝撃

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 【ロンドン時事】少女らの性的搾取で起訴され勾留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の事件は、大西洋の反対側の英国で、チャールズ国王の弟アンドルー元王子が一時逮捕される前代未聞の事態に発展した。これまでも数々の不祥事に見舞われた英王室だが、王族の家族が刑事事件の容疑者になるのは「最悪」(スカイニューズ)の事例と言え、社会に大きな衝撃を与えている。
 英王室は皇太子時代の国王とダイアナ元皇太子妃の離婚や元妃の交通事故死、ヘンリー王子の王室離脱など多くの問題に直面してきた。しかし今回は、貿易特使を務めていたアンドルー容疑者が機密情報をエプスタイン氏に渡した疑いが持たれ、公職上の不正行為容疑で逮捕されるという、これまでとは全く異質のスキャンダルだ。世論に与えるであろう影響は計り知れない。
 アンドルー容疑者は逮捕された19日中に釈放されたが、国王は釈放前の段階で直ちに声明を出し、捜査への全面協力を表明。「法律は当然の過程を経なければならない」とあえて指摘し、王族出身者であっても特別視されるべきでないとの考えを強調した。声明には容疑者とできるだけ距離を保ち、他の王族や王室全体のイメージダウンを回避する狙いもあるとみられる。
 ただ、アンドルー容疑者が国王の弟という事実は変わらず、王子などの称号を剥奪されたとはいえ依然として王位継承権第8位の座にある。国民の目から見れば「王族の一員」が公の立場を利用して引き起こしたスキャンダルであり、逮捕が王室にとって深刻な汚点となったのは確かだ。
 捜査は始まったばかりで、実態の解明はこれからだ。ただ、米司法省の資料「エプスタイン文書」から浮かび上がるのは、容疑者とエプスタイン氏の親密な交流や派手な交遊関係など疑惑が深まる情報ばかり。近年、若者を中心に「王室離れ」が顕著となる中、今回の事件で王室は「より脆弱(ぜいじゃく)な状況に置かれた」(BBC放送)のは間違いない。国王らは、これまでになく強い逆風に直面している。 
〔写真説明〕チャールズ英国王の弟アンドルー元王子=2025年9月、ロンドン(EPA時事)