戦場の“電力革命”なるか!? 米空軍が巨大輸送機で「小型原子炉」を初輸送 その模様を公開

安いだけでない PB市場に変化?

アメリカ国防総省は2026年2月16日、カリフォルニア州のマーチ空軍予備役基地からユタ州ヒル空軍基地へ、次世代型小型原子炉をC-17グローブマスターIII輸送機で空輸したと発表しました。

小型原子炉で将来戦に対応目指す

 アメリカ国防総省は2026年2月16日、カリフォルニア州のマーチ空軍予備役基地からユタ州ヒル空軍基地へ、次世代型小型原子炉をC-17グローブマスターIII輸送機で空輸したと発表しました。原子炉は今後、ユタ州にあるサン・ラファエル・エネルギー研究所へ移送され、各種試験および評価が行われる予定です。

 今回輸送された「Ward 250」は出力5メガワット級の小型原子炉で、C-17の貨物室に収容可能なサイズに設計されています。理論上は約5000世帯分の電力を供給できる能力を持つとされます。軍事的観点では、こうした小型原子炉の導入により、軍事基地が民間電力網に依存しないエネルギー安全保障を確保できる点が注目されます。とくに海外展開時には、電力供給網を遮断されるリスクを低減し、前方展開部隊の継続的な作戦遂行能力を高める効果も期待されます。

 こうした取り組みの背景には、将来戦がAIデータセンターやレーザー兵器、宇宙・サイバー分野のインフラなど、極めて電力需要の高い装備体系に依存するとの認識があります。国防総省は、既存の民間電力網では次世代戦のエネルギー需要を賄えない可能性があるとして、軍独自の強靭な電力基盤整備を進める方針です。

 これに関連して、トランプ大統領は2025年5月、原子力産業基盤の再活性化や原子炉試験制度の改革、原子力規制の見直し、国家安全保障目的での先進原子炉技術の配備などを柱とする複数の大統領令に署名しています。国防総省とエネルギー省の連携のもと、先進原子力技術の開発・評価・配備を加速させる構えです。

 エネルギー省は、小型原子炉の早期実用化を「原子力ルネサンス」の起点と位置付けており、今後の配備動向が注目されます。