「コンパクトSUV」なら勝機アリ!? しっかり走って400万円切り「スズキ初の本格EV」eビターラの“マルとバツ”

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スズキが同社初となるバッテリー式電気自動車(BEV)でコンパクトSUVの「eビターラ」を発売しました。EV市場では後発となるスズキですが、eビターラはどのようなモデルに仕上がっているのでしょうか。

スズキ初のBEVがコンパクトSUVとなったワケ

 スズキは2026年1月16日、同社初のバッテリー式電気自動車(BEV)となるコンパクトSUV「eビターラ」を発売しました。EV分野では後発となったスズキですが、eビターラはどのようなモデルに仕上がっているのでしょうか。

 eビターラはインドで生産され、日本を含む世界各地で販売されるグローバルモデルですが、主なターゲットとしているのがヨーロッパ市場です。もともとヨーロッパは日本に比べて電動車への関心が高く、なかでも北欧などでは電気料金の安さや政府の優遇措置もあり、BEVが大きなシェアと関心を集めています。

 反面、降雪量の多い北欧では4WDモデルが好まれますが、4WDのBEVはこれまでミドルサイズ以上の比較的大きなモデルばかりで、小型かつ4WD仕様を有するモデルは少数でした。そこでBEVメーカーとしては後発となるスズキは「他メーカーが市場投入していないコンパクトSUVのBEVなら勝機があるはず!」と考え、eビターラを開発したのです。

 さて、日本で販売されるeビターラには3つのグレードが用意されており、4WD仕様はトップグレードの「Z」にのみ設定されています。ラインナップにはこのほか、4WD仕様とほとんど同じ装備内容を持つ2WDの「Z」グレードと、2WD仕様のエントリーグレードで、バッテリー容量の小さな「X」グレードが存在。航続距離は「Z」2WDで520km、同4WDで472km、「X」は433kmとなっています。

 また、4WDモデルには電動化に合わせた新たな4WDシステム「ALLGRIP-e」が採用されており、通常路面での安定した走行と、高い悪路走破性を両立しています。税込み価格は「X」が399万3000円、「Z」2WDが448万8000円、同4WDは 492万8000円となっています。

オススメは4WD? それとも2WD?

 実際に運転席に座ってみると、着座位置に対して窓ガラスの下部が大きく取られているため、前方視界はコンパクトSUVの中でも良好な部類と言えます。また、ボンネットの形状が角ばっているため、車両感覚もつかみやすいです。これならば、狭い道を走ることも多いシティユースのドライバーにもオススメできます。

 ただ、新しいナビゲーションシステムは少々使いづらいと感じました。加えて、シートヒーターとステアリングヒーターを操作するには、ナビモニター上で3階層ほど画面を遷移する必要があり、やや不便な印象です。ほかの操作系には物理スイッチが比較的多く残っているだけに、この点は残念に感じてしまいました。

 他方、肝心の走行性能についてですが、今回は2WD・4WDとも市街地や高速道路などでテスト走行しました。結論から言うと、多くの人にオススメできるのは2WD仕様です。価格の安さも理由ですが、特に舗装路では2WDの方が乗り心地の面で優れていると感じたからです。

 反面、4WD仕様は路面の細かな凹凸をよく拾っている印象で、乗り心地は少し角が目立つような感触があります。積雪路や悪路をよく走る人でないなら、2WDを選ぶのが普通でしょう。

 一方、全体的な乗り味は自然な味付けです。加速感はモーター独特の低速からトルクフルな特性をいたずらに誇張したものではなく、アクセル開度に対して素直な反応を示します。そのほかも悪目立ちするようなフィーリングはなく、エンジン車やハイブリッド車から乗り換えても扱いやすいクルマだと思いました。初めてのBEVとしても選ぶ価値は充分あるでしょう。

 ただし、ハンドルが重たい印象だったのが気になりました。コンパクトSUVはユーザー層が幅広いだけに、特に女性ドライバーなどは試乗して実際にチェックしてほしいポイントです。

 スズキ初のBEVモデルであるeビターラは、一部操作系の使いづらさや4WD車の乗り心地など、いくつか若干気になるポイントもあるものの、全体的な仕上がりは高いレベルでまとまっています。素性は悪くないだけに、今後どのように熟成されていくのかも楽しみだと感じました。