「俺が悪いの…?」自然災害でクルマがぶつかった! 過失割合はどうなるのか?

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交通事故の多くは過失によるものですが、自然災害が事故を引き起こす場合もあります。こうしたケースでは、運転者の過失割合がどのように認定されるのか、弁護士に解説してもらいました。

「不可抗力だろ!」自然災害でクルマがぶつかった!

 交通事故の多くは、運転当事者の過失によって起こるものです。しかし、中には「視界を遮るほどの大雨の影響」「積雪による影響」「突然の地震」など自然現象によって交通事故が発生することもあります。

自然災害や天変地異によって起こる交通事故の場合、運転者に対する過失の割合はどのようにして認められるのでしょうか。こういったケースでの意外と細かい過失割合認定について、弁護士に解説してもらいました。

 弁護士法人・響の古藤由佳弁護士によると、まず「交通事故発生時における、過失割合の考慮要素や考え方を理解しておく必要がある」といいます。

「交通事故発生時に、過失割合を定める場合、まずは次の1~3の事情により、大まかに当事者間の基本的な過失割合が決まります。

1:当事者の類型(車対車、車対人、車対バイク、車対自転車、自転車対人など)
2:当事者の状況(一方当事者が停車していた時に他方当事者が衝突。どちらも動いている中で衝突など)
3:周囲の状況(交差点、道路上、信号の有無、信号の色、標識の有無、道路の幅等)

 例えば、青信号で交差点に進入した車と、赤信号を無視して交差点に進入した車が衝突した場合、青信号侵入車対赤信号侵入車の過失割合は0:100です。交差点にて、黄信号で直進する車と、対向車線から黄信号で右折する車が衝突した場合、直進車対右折車の過失割合は40:60となります」(古藤弁護士)

 これら過失割合の基準をベースに、例えば「一方の当事者による重過失があったかどうか」「歩行者対クルマであれば、歩行者が著しくフラフラして車道に飛び出してきた」など一定の修正要素が加わり、認定されることが多いといいます。

 ではそこに、運転当事者がどうしても避けられない自然災害や天変地異の要素はどう絡んでくるのでしょうか。

「避けられる自然現象」か否か

 古藤弁護士によれば、意外にも「法律上では原則として自然災害は、過失割合の修正要素にはならない」といいます。

「民事上の『過失』とは、『交通事故の発生』という結果の予見可能性と結果回避可能性を前提とした結果回避義務違反を指します。

 そもそも車の運転において運転者は、天候などに鑑みて、運転の危険性を適切に判断する注意義務があります。たとえば、天候がかなり荒れているといった状況があったとすれば、運転者は交通事故発生の危険性を認識できたはずであり、その危険性を回避するために運転を控えることや、少し車を止めて天候が落ち着くまで待つこともできたはずだろう……というのが法律上の考えだからです。

 したがって、自然災害の影響によって基本的な過失割合が修正されることはなく、上記で説明した基本割合に従って、当事者間の過失割合が定められます」(古藤弁護士)

 しかし、例えば大地震などの場合は、運転者が予見することはまず不可能です。駐車していたクルマ同士が、地震の影響で衝突することもあります。こういった場合の過失割合はどうなるのでしょうか。

「大地震などは不可抗力であり、事故発生について運転者に過失がないため、運転者に損害賠償義務は成立しません。とはいえ、不可抗力が認められるのは極めて稀なので、日頃から車のメンテナンスや、運転時の慎重な判断を心掛けていただけたらと思います」(古藤弁護⼠)