高速道路のトラブル救援も“自腹”で駆けつけてます…JAFが訴えた理不尽な現状「それ、できませんかね?」

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高速道路の料金などを議論する国交省の部会で、JAFが事故・故障時のロードサービスに関する課題を提起しました。救援に駆けつけるロードサービス車両も、通行料金は“自腹”という現実が明らかになりました。

高速会社が依頼してもロードサービス車両も高速料金は“自腹”

 高速道路のあり方について有識者が意見を聴取する国土幹線道路部会のヒアリングに、自動車ユーザーを代弁してJAF(日本自動車連盟)が出席しました。主なテーマは高速道路料金でしたが、JAFがそれとは別に訴えたのが、事故や故障の高速道路側の対応でした。

 高速道路で動けなくなった車両は、基本的に車両の所有者が自分でロードサービスを依頼して、なるべく早く道路上から撤去する必要があります。その救援に向かうJAFを代表し、野津真生専務理事が2026年1月21日に開催された「国土幹線道路部会」で、次のように訴えました。

「高速道路、本線、路肩、そしてSA・PAにある故障車の速やかな移動をしたいと考えております。私どもだけでなく、各道路会社と協定を結んでいる業者等に対して、『事故車等排除業務』の作業に関する通行は、何らかの割引をしていただきたい」

 つまり、救援車も通行料金は“自腹”なのです。この訴えに対して、国土幹線道路部会の委員の一人から反対意見が出ました。

「故障車や事故車等は、僕の了見が狭いのかもしれないが、その原因を作った故障車もしくは事故車がロードサービスを呼ぶための料金を全部負担するというのが筋かなと思っていて。特に高速道路会社が料金割引しなくても、そちらで話をしていただくのがいいのではないかというふうに感じている」

 燃料切れや電欠、オーバーヒートによる自走不能など、利用車の責任に限定されるトラブルは当然、そうすべきかもしれません。しかし、多重事故や交通死亡事故では当事者との交渉相手を探すことだけでも時間が必要です。そうした場合でも当事者に負担を求めることは結局、ロードサービスの迅速な活動を妨げることにつながるのではないでしょうか。

 加えて、高速道路会社や警察は高速道路上の車両排除は基本的には行いません。事故車などの排除は、実は高速道路会社が依頼元になるケースもあるのですが、その場合もロードサービス会社は通常料金を高速道路会社に支払っています。

 同様の通行料金問題については、国会議員の河野太郎氏が2020年、行政・規制改革担当相時代に問題提起したことがあります。高速道路を通行する緊急車両は、消防車は無料ですが、救急車は傷病者を運ぶ時のみが無料で、傷病者を運んでいないときは緊急走行ではないので、片道は有料で通行しなければならないという内容でした。

 これについて、高速道路各社は各地の消防から申請があれば、協定を結んで無料にすることができると反論しましたが、その後、申請不要となり全国一律で救急車の料金請求が免除されることになりました。

待つ場所がない 同乗者は置き去り?

 高速道路上における自走不能時の対応は、車両を路肩にできるだけ寄せて停め、ロードサービスが来るまでの間、乗員は必ずガードレールの外側で待つ必要があります。路上に出ていたことで、自走不能車両に追突する二次的な事故が発生し、命を落とした例もあります。この緊急対応を確実にするための提言もJAFは行いました。

 国土幹線道路部会の委員から、必要と思われる設備は何かと促されての回答です。JAFロードサービス部担当者が話しました。

「2点あって、1つは避難場所。路肩で停止した場合、それに適した場所がないケースが多々ある。何メートル間隔という形でもいいので、確実にあればいいかなと思う」

 ガードレールの外側での待機が期待できるのはNEXCO系の高速道路の一部に限られます。外側で待機ができる場所でも、構造的に傾斜の頂上か谷底ということもあります。ロードサービスの到着時間は30分~60分。何かできることがあるのではないでしょうか。

 実は、こうした問題が切実になることもあります。それがJAFが話すもう1つの要望です。

「多数乗車している車両に出動した場合、2名までならレッカー車に同乗してもらうことができる。ところが、3名以上いると、残った人は乗れないので、(高速道路外の)安全な場所に戻れないという問題がある。ロードサービスの提供会社側で移動するというのは緑ナンバーの関係でできないので、高速道路会社の方で何らか用意できると非常に迅速な作業につなげることができる」(ロードサービス部担当者)

 ここで、タクシーを頼むことは基本的には不可能です。高速道路は駐停車禁止なので、客を拾うことはできません。地方では深夜早朝の営業がないケースも珍しくありません。統一された見解がないままケースバイケースで、到着した警察や道路管理者の現場対応力に任されているのが現状です。

自走不能車を一時保管してくれると「渋滞緩和につながる」

 高速道路会社は、利用者の不測の事態に寄り添うことはできないのでしょうか。JAF野津氏は、こんなことも話しました。

「通行料金の見直しとは直接関係はないが、夜間のロードサービスでは入庫する自動車の整備工場などが見つからないことがままある。ICの管理事務所などで預かっていただけると(素早く)次のところに救援に行くことができる。全体として渋滞の緩和などにつながる」

 一般道に出ても自走不能車が止められる駐車場を探せるかどうかはわかりません。一方、料金所には駐車スペースが必ずあります。車両の一時収容は一部のICでは実施されています。この提案には、前述の国土幹線部会の委員からも賛同を得ることができました。

 2025年のETC大規模障害の対応に見られるように、高速道路会社の対応は、民営化後も民間会社らしからぬ管理会社本位の姿勢が見受けられることがあります。通行料金が支える高速道路として、単なる通行料金値上げの議論に留まらず、利用者本位のあり方を充実させることが必要ではないでしょうか。