8日投開票の衆院選は、自民党と日本維新の会の与党が過半数(233)を確保できるかが最大の焦点だ。高市早苗首相(自民総裁)は、与党過半数を割り込めば「退陣する」と明言。逆に大きく増やせば求心力が高まりそうだ。中道改革連合は比較第1党が目標だが、公示前の172を一定程度下回ると野田佳彦共同代表らの責任論に発展する可能性がある。
自民は2024年の前回衆院選で大敗し少数与党となった。定数465に対し公示前は198。維新は34、与党では計232議席だ。1増で過半数に達するため、これをクリアしても上積みがわずかなら与党内から不満が出る可能性がある。自民の単独過半数には35の積み増しが必要だ。
243に達すると、17ある衆院常任委員長ポストを独占し委員の半数も確保する「安定多数」、261以上なら委員の過半数も占める「絶対安定多数」となる。前回衆院選後は野党が予算や法務の委員長を押さえ、首相はたびたび不満を漏らしていた。
定数が465になった17年以降、自民の最多獲得議席は同年の284。単独過半数を確保できなかったのは24年だけだ。古屋圭司選対委員長は「単独過半数、与党で安定多数を取れば国会の安定的な運営につながる」と指摘している。
与党がさらに伸ばし、定数の3分の2に当たる310を確保すれば、参院が否決した法案を衆院で再可決できる。与党は参院の過半数まで5議席足りない。衆院で310を持てば憲法改正の発議も可能になる。改憲に前向きな国民民主党や参政党、日本保守党の消長も議論進展に影響しそうだ。
中道は立憲民主、公明両党が合流して公示直前に結党。党名や政策について無党派層への浸透に手間取ったと指摘されるが、立民を支えてきた労働組合の中央組織・連合と、公明の支持母体・創価学会の組織力を生かし懸命に追い上げを図った。
ただ、野田氏ら一部の元立民幹部は十分な議論を経ずに公明との合流を急いだ。公明系候補28人は全員が比例代表の名簿上位で処遇されており、立民系に不満がくすぶる。野田氏は敗北すれば「重大な政治判断をしたい」と進退に言及している。
〔写真説明〕国会議事堂=東京都千代田区