2026年2月の衆院選、日本人のほとんどが投票所へ向かうなか、任務で出港中の自衛艦乗りはどうやって投票するのでしょうか。彼らの1票を守るための作業、じつはしっかり行われています。ときにはヘリや補給艦を使うこともあるそうです。
投票用紙をヘリで後送、補給艦へ委託…… “物理”が頼りの回収ルート
まもなく第51回衆議院議員総選挙(2026年2月8日投開票)です。選挙に際しては通常、各家庭に投票所入場券が配られ、それを持って最寄りの投票所へ出向きます。もしくは、投票日に行けない人は期日前投票か、不在者投票で自らの政治意思を示します。
しかしここで気になるのが、年間のおよそ半分を海の上で働いている自衛艦乗りの投票事情。日本には現在約41000人の海上自衛官がいますが、艦艇の乗組員だと出港中は投票所にいくことができません。
これらを解決するのが、総務省が1999(平成11)年に作った「洋上投票制度」です。自衛官に限らず、船で働く船員にはこの制度があり、洋上にあっても不在者投票ができるようになっています。
ちなみに洋上投票制度の基本的な方法は、事前に船長(艦長)から指定市町村の選挙管理委員会に投票送信用紙などを請求し、送られてきた用紙を保管。選挙期日に船員に投票送信用紙を交付して船内にて投票後、ファクシミリを通じて投票内容を送信します。
しかし、海上自衛隊の場合は、艦内で投票したあとに乗員の投票用紙をまとめてヘリコプターで後送するか、洋上給油の際に補給艦に委託するなどの方法が採られます。このとき、担当になるのは主に4分隊の補給長。海の天候は変わりやすいので余裕をもって行われるそうですが、だいぶ命懸けの壮大なミッションといった感じが……。海自もファクシミリでいいんじゃないの、という気がしなくもありません。
海上自衛官で夫のやこさんも、この洋上投票をしたことがあります。投票所に設定されるのは食堂など広い場所が基本なのですが、手が空いている隊員がズラリと廊下に並ぶので、投票所近辺はちょっとした混雑になるのだとか。
現在は洋上での投票が主流ですが、昔は寄港地で投票することもあり、やこさんをはじめとした乗員たちによる呉市役所への「行軍(集団行進)」が行われたこともあったのだそう。海上自衛官、なにかと歩きたがるのはなぜなのでしょうか。
国の行方を決める清き一票。日本では、1票を無駄にせず、たとえ緊急出航中であっても一人一人が平等に選挙へ参加できるようになっているのに、ちょっと驚きました。