改憲勢力3分の2、与野党意識=自民優勢で現実味、論戦低調―高市政権を問う「憲法」【2026衆院選】

医薬品マーケティングの変化とは

 8日投開票の衆院選を巡り、憲法改正に前向きな勢力が発議に必要な3分の2(310議席)を超えるかどうかが、にわかに意識され始めた。報道各社の情勢調査で自民党の優勢が伝えられる中、日本維新の会や国民民主党などと合わせ、「改憲勢力」の議席到達が現実味を帯びつつあるとの見方が拡大。ただ、選挙期間中の論戦は低調だ。
 「憲法になぜ自衛隊を書いてはいけないのか。彼らの誇りを守り、実力組織として位置付けるため、当たり前の改憲をやらせてほしい」。高市早苗首相(自民総裁)は2日、新潟県上越市で演説し、こう強調。衆参両院の憲法審査会長ポストを野党が占めたことにも触れ、「(議論が)全然進まない」と状況打開を呼び掛けた。
 改憲を党是とする自民は、公約に自衛隊明記や緊急事態対応など4項目を挙げ、「国民への丁寧な説明を積極的に展開する」と主張。連立を組む維新も、9条改正や緊急事態条項創設を目指し、国民投票の早期実施を訴える。
 野党でも、国民民主や参政党、日本保守党が改憲に意欲的だ。国民民主は緊急事態条項創設などを提起。参政は「国民自らが憲法を創る『創憲』」を打ち出す。保守も公約に9条改正を盛り込んだ。
 一方、立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」は、公約に「国民の権利保障、自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある改憲論議を深化」と記すにとどめた。立民はこれまで「論憲」を掲げ、自民がけん引する改憲に反対してきた。与党当時に「加憲論」を唱えてきた公明とは温度差があり、新党の立ち位置は曖昧だ。
 明確に改憲反対の立場を示すのが共産、れいわ新選組、社民各党だ。共産は「憲法9条を守り抜き、改憲策動を許さない」と宣言。田村智子委員長は「首相は国論を二分する政策を進めるために信を得たいと言うが、白紙委任状をよこせということか」と批判を強める。
 もっとも、今回の選挙戦で改憲論議は盛り上がりを欠く。各党党首の討論は物価高対策や外交・安全保障政策が中心。首相が演説で触れる機会も乏しい。
 国民民主の玉木雄一郎代表は3日、大阪市内で記者団に「与野党を超えた丁寧な議論を憲法審査会でやっていく必要がある。自民と維新で言っていることが違うから、まず与党間で考え方を整理してほしい」と求めた。

 
 ◇憲法を巡る各党の政策
【自民】自衛隊明記、緊急事態対応などを中心とした憲法改正の実現に向け、国民への丁寧な説明を積極的に展開
【維新】憲法9条の改正、緊急事態条項の創設を実現。国民投票の早期実施。衆参両院憲法審査会に条文起草委員会を常設
【中道】国民の権利保障、自衛隊の憲法上の位置付けなどの議論を踏まえ、改憲論議を深化
【国民】首相の解散権制限や憲法裁判所の設置などを検討。緊急事態条項の創設
【共産】憲法9条を守り抜き、改憲策動を許さない
【れいわ】改憲ではなく、現行憲法を生かして必要な法や制度の整備を行う
【参政】国民自らが憲法を創る「創憲」に向けた国民運動を推進
【保守】憲法9条を改正し、自衛のための実力組織保持を明記
【社民】憲法9条に基づく平和外交を推進
【みらい】時代の変化に合わせて改正も視野に内容の検討を行う
※公約を発表した政党のみ。 
〔写真説明〕「今後の議論の方向性」をテーマに討議が行われた衆院憲法審査会=2025年12月、国会内
〔写真説明〕日本国憲法の公布原本=2017年4月、東京都千代田区の国立公文書館