8日投開票の衆院選は終盤を迎え、与野党は幹部らを激戦区に集中的に投入している。自民党はてこ入れ対象の選挙区を絞り込み、高市早苗首相(党総裁)らを連日のように送り込む。出遅れが伝えられる中道改革連合は両共同代表らが接戦区を重点的に回り、組織をフル稼働させる。
首相は4日、自民、中道の接戦と分析する岡山4区のてこ入れのため、岡山県倉敷市で街頭演説し、「緊縮志向が続けば(日本は)縮んでいくばかりだ。変えよう」と自民支持を訴えた。この後、同様に激戦とみる京都3、6区も回った。
自民は2日夜、首相、麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長らによる幹部会合を党本部で開き、重点区を70程度に絞った。自民圧勝の予測が一部で伝えられる中、党関係者は「肌感覚と違う」と指摘。5日には首相を佐賀、鹿児島両県に投入するなど、幹部・閣僚を優先的に派遣する方針だ。
日本維新の会は2024年の前回衆院選に続いて本拠地・大阪の19選挙区で全勝するのが最優先課題。吉村洋文代表は4日、大阪府内を回った。維新は大阪以外に全国政党化の足がかりを築きたい考えだが、自民との競合もあって苦戦を強いられており、藤田文武共同代表は滋賀県彦根市で「自民だけが増えたらあぐらをかく」と維新伸長の必要性を訴えた。
中道は「確実な勝利を見込める選挙区が少ない」(関係者)として危機感を募らせる。80程度を重点区と定め、野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表が積極的に行脚する。野田氏は4日、千葉県市原市で街頭演説し、派閥裏金事件に関わった候補を公認した自民を「開き直っている」と批判した。
中道は巻き返しのため、立憲民主党の支持団体の連合、公明党の支持母体の創価学会の組織力をフル活用する方針だ。公明関係者は同党系候補が比例代表名簿の上位に掲載されたことを踏まえ、「選挙区で結果を出さないと立民との関係が難しくなる」と組織戦を徹底する考えを示した。
ここ数年、国政選挙で躍進を続けてきた国民民主党は、選挙区で勝利を一つでも多くもぎ取り、比例の議席を伸ばしたい考え。玉木雄一郎代表は4日、さいたま市で記者団に「野党第1党を目指したい」と強気の目標を掲げた。
共産党、れいわ新選組は比例票の上積みに照準を定める。共産は都市部を中心に支持拡大を図り、れいわは高市政権に対する批判票の受け皿を狙う。選挙区に積極的に擁立した参政党は幹部らによる街頭演説を重ね、昨年の参院選に続く躍進を目指す。
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