冬季スポーツ実施率向上に注力=札幌市、将来の大会誘致視野に

 冬季五輪・パラリンピック招致を目指していた札幌市は、2023年12月に招致活動の停止を表明した。市民の十分な理解が得られず、国や競技団体などと一体となった取り組みもなかなか進まなかった。招致活動を再開する時期の具体的な見通しは立っていない。
 冬季競技への理解を広げる意味でも、市民の冬季スポーツ実施率の向上が課題と指摘されてきた札幌市。スポーツ実施率自体は5割を超えるが、スキーやスケートなどの冬季スポーツに限れば2割前後に低迷する。市のスポーツ都市推進課の担当者は、「ウインタースポーツは札幌の伝統であり文化。関心を高める取り組みを行い、実施率を底上げしていくことが大事」と語る。
 ミラノ・コルティナ冬季五輪後の3月には、市内で10年ぶりにスノーボード・ハーフパイプのワールドカップが開かれる。五輪で好成績が望めそうな選手の活躍によって競技への認知度を高めるとともに、大規模な国際大会を開催する意義を示す機会にもなり得る。
 市は世界ユニバーシティー大会などの大規模大会に、視察を目的に定期的に職員を派遣。今秋の愛知・名古屋アジア大会では、運営を学ばせるために大会組織委員会に職員を送る。将来の国際大会誘致に向けた肥やしにする活動は続けている。
 ミラノ・コルティナ五輪は競技会場がイタリア北部に分散した異例の広域開催が特徴で、30年にフランスで行われる次の五輪も広範囲の地域で開催される。今後の招致と大会運営に影響を与えそうな流れがあり、市の担当者は「ミラノ・コルティナは大きな試金石になる」と語った。 
〔写真説明〕撤去される2030年冬季五輪・パラリンピック招致に関するポスター=23年11月、札幌市中央区