パンダの故郷、通うファンも=シャンシャンや「浜家」人気―中国・四川省

 【成都時事】東京・上野動物園から返還されたジャイアントパンダ2頭が今後過ごす「パンダの故郷」、中国四川省。直行便でも東京から約6時間かかる同地には、日本からも多くのファンが訪れる。日本生まれのパンダに会うため、既に何回も「通っている」という人もいる。
 省都・成都から高速鉄道で1時間超の雅安市。市街地からさらに車で30分ほど山道を進むと、広大な敷地を有する保護研究センターが見えてくる。日本から返還された双子のパンダ、シャオシャオ(雄)とレイレイ(雌)が28日に到着した同施設には、2頭の母シンシンや姉シャンシャンもいる。
 今月下旬に施設を訪ねると、職員は「ここ数年で日本人の来場者が増えた」と話した。ファンの一番の目当ては、2023年2月に上野動物園から返還されたシャンシャンだ。展示場前には人だかりができており、シャンシャンが竹を器用に割ったりリンゴを頬張ったりすると歓声や笑い声が上がっていた。中国人観光客に混じって日本人の姿もあった。
 「もう5回ぐらい来ている」と話す東京都在住の50代女性は「シャンシャンの生き生きした様子を見られてうれしい。日本からパンダがいなくなるのは寂しいけれど、ここに見に来るからいい」と前向きだ。
 隣接する甘粛省から来たというデザイナーの女性(50)は「シャンシャンは特にきれいなパンダ。ネットでも人気がある」と語った。
 一方、成都にある繁殖研究基地には、和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」から返還されたパンダたちが飼育されている。「浜家」と呼ばれる白浜生まれのパンダは中国でも「浜家族」として有名だ。
 昨年6月に返還された良浜(ラウヒン、雌)を撮影していた浙江省出身のフリーランス、銭瑜さん(35)は「良浜の子どもたちは皆ぽっちゃりしていてかわいい。浜家族が大好きです」と話した。
 良浜の紹介パネルには「(雄の)永明(エイメイ)と共に海外最多の人工繁殖を成した『英雄的母親』。日本とのパンダ協力の模範となった」と書かれている。
 日中関係は台湾問題などを巡り緊張が続いており、日本へのパンダの新規貸与は見通せない。銭さんは「私たちは皆パンダが好きなだけ。パンダを見る視線に政治は関係ない」と話した。 
〔写真説明〕ジャイアントパンダのシャンシャンを見学する来園者=26日、中国四川省雅安市
〔写真説明〕竹を食べるジャイアントパンダのシャンシャン=26日、中国四川省雅安市
〔写真説明〕和歌山県白浜町生まれのジャイアントパンダ、良浜(ラウヒン)=27日、中国四川省成都市