日銀は28日、2015年下半期(7~12月)の金融政策決定会合の議事録を公表した。「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」を2年以上続けたが2%の物価上昇目標には届かず、12月には「補完措置」導入を決定。デフレ脱却に向けて長期戦に突き進む姿が浮き彫りになった。
黒田東彦総裁の下、13年4月に導入した異次元緩和。エネルギー価格の下落などで思うような効果が出ず、15年10月30日の会合では物価目標達成を従来の「16年度前半ごろ」から「16年度後半ごろ」に先送りした。「予想物価上昇率も足元の状況に影響され、なかなか上がっていかない」(石田浩二審議委員)といった厳しい見方もあった。
こうした中、15年12月18日の会合では異次元緩和を円滑に継続するための「補完措置」導入を決めた。上場投資信託(ETF)の買い入れ枠拡大に加え、満期までの期間が長い国債も購入し、緩和効果を高めるのが狙いだ。
しかし、「中央銀行の金融政策としてあり得ない」(石田委員)と反対意見も相次ぐ。木内登英委員は「民間企業活動に対する中立性や健全な価格形成の観点から望ましくない」と指摘。緩和からの「出口」を困難にするとの声も出た。
これに対し、黒田総裁は「量的・質的緩和の下での資産買い入れをより円滑に進めることを可能にする」と強調。布野幸利委員も「経済の好循環を後押しする効果が期待される」とし、賛成多数で導入が決まった。
2%の物価目標は今もなお達成できていない。しかし、異次元緩和にこだわる日銀は、翌16年1月の会合でさらに異例の「マイナス金利政策」導入を決定、混迷の度を深めていく。