羽田空港でANA(全日空)などが使用する第2ターミナルの駐機場に、珍しい光景が登場しました。航空機の地上支援を担う車両が、代表的な7種類そろって公開されたのです。それぞれ、どのような役割があるのでしょうか。
総台数は2950台
2026年1月、羽田空港でANA(全日空)などが使用する第2ターミナルの駐機場に、珍しい光景が登場しました。航空機の地上支援を担う「グランドハンドリング(グラハン)」用の車両が、代表的な7種類そろって公開されたのです。空港の裏側を支えるこれらの車両には、どのような役割があるのでしょうか。
ANAによると、羽田空港に導入されているグランドハンドリング車両は、大きな区分で7種類、細かく分類すると32種類に及びます。その総台数は2950台にもなるといいます。旅客機の運航は、こうした多数の専門車両によって地上から支えられています。
今回公開されたのは、「パッセンジャーステップ車」「スノーバー」「電源車」「航空機牽引車」「トーバーレストーイングトラクター」「ハイリフトローダー」「ベルトローダー」の7種類です。それぞれの役割は次の通りです。
パッセンジャーステップ車は、航空機のドア部分に横付けして使用する「動く階段」です。ターミナルと機体を直接結ぶPBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ、いわゆる搭乗橋)が設置されていない駐機スポット(オープンスポット)で、乗客の搭乗や降機を支えます。
スノーバーは、主に冬季に活躍する特殊車両で、航空機の除雪や防氷作業を行います。機体表面に雪や氷が付着したままでは安全な離着陸ができないため、寒冷地や降雪時の空港運用に欠かせない存在です。
電源車は、航空機が地上で使用する電力を外部から供給するための車両です。エンジンを停止した状態でも、客室の照明や空調、機内システムを稼働させる必要があり、そのための発電装置を搭載しています。
まだまだあるぞ「グラハン車両」
航空機牽引車は、駐機場で停止している航空機を押し出したり、別の場所まで移動させたりするための車両です。出発前にエンジン始動が可能な位置まで押し出す「プッシュバック」や、格納庫や別のスポットへ移動させる作業に使われます。見た目は航空機に比べて小型ですが、自重は数十トンに達し、巨大な旅客機を動かすための強力なトルクを備えています。
トーバーレストーイングトラクターは、航空機牽引車の一種で、機体と牽引車を接続する棒状の器具「トーバー」を使用しない点が特徴です。航空機の前脚を直接抱え上げて持ち上げる構造となっており、小回りが利き、作業を迅速に行える最新型の牽引車とされています。
ハイリフトローダーは、貨物や手荷物を積んだコンテナやパレットを、航空機の貨物室の高さまで持ち上げることができる昇降機付きの車両です。主に大型旅客機で使用され、効率的な貨物搭載を可能にします。
ベルトローダーは、ベルトコンベヤーを備えた作業車で、航空機と地上の間で手荷物や貨物を積み下ろしする際に使用されます。特にコンテナを使わない機材では、この車両が欠かせません。